山海経を読もう!No,17 大荒経大荒北経編

山海経翻訳シリーズNo,17 大荒経大荒北経編です。

山海経の概要に関しては以下をご覧ください!

山海経:中国の妖怪はここから来ている!妖怪のネタ帳として有名な山海経

山海経のその他の翻訳に関しては以下をご覧ください!

山海経翻訳まとめページ

文中に玄鳥という鳥が出てきますが、玄鳥の玄は黒と言う意味があり、燕の事を指しています。

誇父の話は有名な神話である誇父追日のお話です。この話の最後は誇父は大澤に行く途中に喉の渇きにより死んでしまいます。喉の渇きの原因になったのは太陽に照らされたからとも涿鹿の戦い(たくろくのたたかい)で旱魃(女魃)により照らされたからとも言われています。しかし、この大荒北経では誇父は応龍により殺されたと言うことになっています。さらに中国神話中の最大の戦いである涿鹿の戦い(たくろくのたたかい)の詳細についても書かれており、蚩尤との戦いが描かれています。

話が少しそれますが、中国神話中で個人的に面白いと思う存在が旱魃です。旱魃は女魃とも言いもともとは美しい女神でした。しかし、時代とともに干ばつを引き起こす恐ろしい悪神となっていき恐れられるようになりました。仕舞には干ばつが起こると直近に亡くなった人が旱魃という怪物に変わってしまったためと言うことで、墓を暴いて遺体を燃やすと言う風習が行われるようになりました。この風習は1960年代頃まで行われていたと言います。遺体が旱魃になると墓周辺の土が湿ってくると言います。

中国で有名な妖怪にキョンシーがいますが、このキョンシーと旱魃はいつしか合わせて考えられるようになりました。

キョンシーに関しては以下をご覧ください!

中国のキョンシー実在調査のまとめ

  • 翻訳文(■は現在では使用されいない漢字です。)

東北海の外の大荒の中、河水の間、附禺の山に帝顓頊と九人の妃が葬られた。【丘鳥】久、文貝、離俞、鸞鳥、皇鳥、大きな生き物、小さな生き物がいた。青鳥、琅鳥、玄鳥、黄鳥、虎、豹、熊、罴、黄蛇、視肉、■瑰、瑶碧がおり、この山の周囲に出没していた。丘の周囲は三百里で、丘の南面は帝俊の竹林があり、舟を作れるほどに大きかった。竹林の南面には紅色の湖水があり、名を封淵と言った。三種の枝のない桑の木が生えており、全て高さは百仞あった。衛丘の西面には沈淵があり、帝顓頊が体を洗った場所であると言う。

顓頊に関しては以下をご覧ください!

玄帝顓頊:中国史上初の国家である夏王朝につながる礎を築いた偉大なる帝

鸞鳥に関しては以下をご覧ください!

鳳凰:朱雀のモデルとなり火の中から甦るおめでたい神鳥

胡不与国があり、そこに住む人の姓は烈で、黄米を食べた。

大荒の中に不咸山という山があった。粛慎氏国があった。飛行能力のある蛭がおり、四本の羽が生えていた。蛇がおり、野獣の頭と蛇の体をしており、名を琴虫と言った。

大人と呼ばれる人が大人国に住んでいた。そこに住む人の姓は厘で黄米を食べた。大きな青蛇がおり、黄色の頭部で大鹿を丸呑みできた。

榆山があった。また、鯀攻程州山があった。

大荒の中に衡天という山があった。また、先民山という山があった。螺旋状に曲がりくねった一千里の大樹があった。

叔歜国があり、そこに住む人は皆顓頊の子孫で、黄米を食べ、虎、豹、熊、羆の四種の野獣を飼いならしていた。形状が熊に似た黒虫がおり、名を猎猎と言った。

北斉国があり、ここに住む人の姓は姜であり、虎、豹、熊、羆を飼いならしていた。

大荒中に先檻大逢山という名の山があり、黄河と済水が流れ込む地方で、海水は北面からこの場所へと注いでいた。その西面には山があり、禹所積石山という名の山があった。

陽山があった。また、座順山があり、順水はこの山より流れ出ていた。始州国があり、国は座丹山にあった。

周囲千里の大澤があり、各種の禽鳥が古い羽毛を脱ぎ捨てて新しい羽毛を生やす場所であった。

毛民国があり、そこに住む人の姓は依であり、黄米を食べ、四種の野獣を飼いならしていた。大禹は均国を生み、均国は役采を生み、役采は修鞈を生み、修鞈は綽人を殺した。大禹は綽人が殺されたことを哀しみ、密かに綽人の子孫のために国を作った。その国は毛民国であった。

禹に関しては以下をご覧ください!

禹:黄河の治水を成功させた大英雄で夏王朝の建立者

儋耳国があり、そこに住む人の姓は任であり、神人禺号の子孫で谷米を食べた。北海の島嶼の上に神人がおり、人面で鳥の体であり、耳には二条の青蛇をかけおり、脚の下には二条の紅蛇を踏んでいた。名を禺強と言った。

禺強に関しては以下をご覧ください!

禺疆:海神であり風神でありさらに疫病を運ぶ瘟神でもある人面鳥身の神様

大荒中に北極天柜山という名の山があり、海水は北面からこの場所へと注いでいた。神人がおり、九つの頭と人面、鳥の体をしており、名を九鳳と言った。また、神人がおり、口には蛇をくわえ手には蛇を握っており、その形状は虎の頭に人の体であり、四本の蹄と長い腕があり、名を強良と言った。

九鳳に関しては以下をご覧ください!

九鳳:古く楚の地方で信仰された頭が九つある不思議な鳳凰

大荒中に成都載天山という名の山があった。耳に二条の黄蛇をかけた人物が一人おり、手には二条の黄蛇を握っていた。名を誇父と言った。后土は信を生み、信は誇父を生んだ。

誇父に関しては以下をご覧ください!

誇父:弱きを助け悪を挫く太陽に立ち向かった伝説の巨人

誇父は自分の身体的な力量を測れず、無謀にも太陽の光影を追いかけたいと思い、禺谷まで追いかけた。すると誇父は黄河の水を飲んで喉の渇きをいやしたいと思い飲んだがそれでも足りず、北方の大澤の水を飲もうと走り出した。しかし、道の途中で喉の渇きにより死んでしまった。応龍が蚩尤を殺してしまい、また誇父まで殺してしまったので神力を消耗してしまい天に戻れなくなった。そのため、南方に行き住んだ。雨を降らす応龍が南方に住んだために、南方には多くの雨が降るようになった。

蚩尤に関しては以下をご覧ください!

蚩尤:中国神話中で最も恐れられた荒れ狂う不死身の戦神

応龍に関しては以下をご覧ください!

応龍(應龍):兵神蚩尤を討ち取った中国最強の龍

無腸国という国があり、そこに住む人の姓は任であった。彼らは無継国人の子孫であり魚を食べた。

岳山という名の山があり、山上には大きな竹の一種が生えていた。

大荒中に不句山という名の山があり、海水は北面を出てこの場所へと注いでいた。

昆山という名の山があり、上面には共工台があり、矢を射る人は共工の威霊を畏れ敬い敢えて北方へは射なかった。青色の服を着た人物がおり、名を黄帝女魃と言った。蚩尤は多種多様な兵器を製造して黄帝を攻めた。黄帝は応龍を冀州の原野に派遣し蚩尤を攻撃させた。応龍は多量の水を畜水し、蚩尤は風伯と雨師に頼み大風雨を起こした。黄帝は魃という名の天女を遣わして助勢させた。雨は止み蚩尤を殺した。女魃は神力を使い果たしたため天上へ戻れなくなったため、魃の住む地方には一滴の雨も降らなくなった。叔均がこの事態を黄帝に報告すると、黄帝は女魃を赤水の北面に安置した。叔均は田神となった。女魃は頻繁に逃亡して出現した地方で旱魃を起こした。このため、女魃を追い払う必要があったため、”神よ北へ行け”と祷り告げ、その後は水道や溝を清掃して水の流れを良くして雨に備えた。

黄帝に関しては以下をご覧ください!

黄帝:中国の始祖であり古代神話中最大の功労者

共工に関しては以下をご覧ください!

水神共工:治水で民に尽くしそして山をも真っ二つに割ってしまう狂戦士

旱魃に関しては以下をご覧ください!

旱魃:美しい女性から恐ろしいキョンシーにまで変わってしまった悲劇の天女

風伯と雨師に関しては以下をご覧ください!

黄帝を苦しめた中国最凶の風神、雨神コンビ、風伯と雨師

一群の人々がまさに魚を食べており、名を深目民国と言った。そこに住む人の姓は朌と言い、魚を食べた。

鍾山という名の山があり、青色の衣服を着た女性がいた。名を赤水女子魃と言った。

大荒中に融父山という名の山があり、順水はこの山を流れ込んだ。犬戎という名の人がいた。黄帝は苗龍を生み、苗龍は融吾を生み、融吾は弄明を生み、弄明は白犬を生んだ。この白犬は両性であり、犬戎族人となり、肉類を食物とした。形状は普通の馬で頭は無く名を戎宣王屍と言った。

斉州山、君山、■山、鮮野山、魚山と言う名の山があった。

一つ目の人がおり、その目はまさに顔の中央部にあった。別の言い方をすると、彼らの姓は威と言い、少昊の子孫であり、黄米を食べた。

少昊に関しては以下をご覧ください!

少昊:黄帝の息子で鳳凰を中国中に広めた五帝

無継民という名の人がおり、無継民の姓は任であり。無骨民の子孫であり、空気と魚を食べた。

西北方向の海外、流沙の東面に中■国という国家が有り、そこに住む人は顓頊の子孫であった。

顓頊に関しては以下をご覧ください!

顓頊:黄帝の孫で中国古代の国家である華夏王朝の始祖。

頼丘という国があった。さらに犬戎国があった。人がおり、人面で獣の体をしており、名を犬戎と言った。

西北方向の海外、黒水の北岸に羽のある人がおり、名を苗民と言った、顓頊が驩兜を生み、驩兜は苗民を生んだ。苗民の姓は厘で肉類を食べた。さらに章山という名の山があった。

驩兜に関しては以下をご覧ください!

四罪(共工、鯀、三苗、驩兜):古代中国神話中の悪行を尽くし舜に断罪されてしまった悪神達

大荒中に衡石山,九陰山、灰野山があり、山上には紅色の樹木があり青色の葉で紅色の花をしていた。名を若木と言った。

牛黎国があり、そこに住む人の体には骨が無く、儋耳国の人々の子孫であった。西北方向の海外、赤水の北岸に章尾山があった。神がおり、人面で蛇の身で全身は紅色であった。体は千里の長さで目は縦方向に並んでおり、目を閉じると黒夜に、開けると白昼になった。食べず寝ず呼吸せず、しかしひとたび吸うと風雨を起こすことができた。暗い地方を照らすことができたため、故に燭龍を称した。

燭龍に関しては以下をご覧ください!

蛟龍、虬龍、燭龍、蟠龍、窫窳など様々な龍たち:中国の神獣、四象、霊獣特集

以上

原文は以下のリンク先をご覧ください!

出典:baidu

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