山海経翻訳シリーズNo,13 海内経海内東経編です。
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今回の海内東経は結構短いです。崑崙山(こんろんさん)という名がありますが、神々の住まう有名な崑崙山は西方にあり黄河の源流が流れ出していると考えられていました。ですので中原から東方向の国々について述べている海内東経に記載されていると崑崙山の位置が曖昧に感じます。一方で渤海(ぼっかい)という海の名前が見られますので、大体天津あたりから長江下流域の事を書いているのかと想像できます。
雷澤の雷神は三皇の伏羲(ふっき)の父親であるという伝説もあり、神話上では結構有名な存在です。
最後の方の会稽山は越の勾践(こうせん)が呉の夫差(ふさ)と戦い破れた山と思われ、会稽の恥と言う言葉で有名です。敗戦後、何とか命拾いをした勾践は屈辱の日々を苦い肝を嘗めることで会稽の恥を忘れずに耐え抜いたことから、臥薪嘗胆(がしんしょうたん)の嘗胆という言葉が生まれました。その後、勾践は夫差に雪辱を果たしています。ちなみに臥薪嘗胆の臥薪は勾践との戦いの傷がもとで父王の闔閭(こうりょ)を亡くした夫差が恨みを忘れないために毎晩薪の上で寝ていたという言い伝えによります。これらの故事を合わせて臥薪嘗胆と言います。
会稽山のもともとの成り立ちは神話上の大禹が諸神を集めて協議を行った山と言う伝説に基づいており、”会聚計議”の意味です。
- 翻訳文
海内は東北の隅から南の国家地域で、山丘河川の様子は以下に示すとおりである。
大燕国は海内の東北の隅にある。
流沙中の国家に埻端国、玺(日に奂)国があり、全て崑崙山の南東面にあった。別の言い方をすると、埻端国と玺(日に奂)国は海内に設置された郡であるが、これらの国を郡県とは称さない。これは流沙中に縁故があるためである。
流沙の外の国家には大夏国、堅沙国、居繇国、月支国があった。
西方胡人の白玉山国は大夏国の東面にあり、蒼梧国は白玉山国の西南面にあり、都は流沙の西面、崑崙山の東南面にあった。崑崙山は西方故人がいる地の西面に位置している。総じて西北方に位置している。
雷澤中に雷神がおり、龍の体に人の頭をしており、腹を敲き雷を起こす。雷澤は呉地の西面にある。
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都州は海の中にあった。別の言い方をすると、都州は郁州とも言う。
琅邪山は渤海と海岸の間の琅邪台の東面にあった。琅邪台の北面には山があった。別の言い方をすると、琅邪山は海中にあった。
韓雁は海中にあり、都州の南面にあった。
始鳩は海中にあり、韓雁の南面にあった。
会稽山は大越の南面にあった。
以上
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出典:baidu
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