中国神話の奇妙な龍を集めてみた。怪龍特集2(夔龍、鼓、馬絆蛇)

中国と言えば龍、龍は中国の代名詞とも言える存在です。元々はトーテム信仰から生み出されたと言われ、龍は鹿の角や蛇の胴体などを組み合わせて作り出されました。中国神話で出てくる龍は基本的に龍をトーテム信仰していた部族を指していると考えられています。

また、龍は派生も多く様々な形状の龍がいます。今回はそんな龍紹介の第二弾です。

夔龍(きりゅう kui2long2 クイロン)

夔龍は古代中国神話中の一本足の怪物です。

山海経の大荒東経には、”東海には流波山があり、この山は東海に入る七千里に地方にあった。山には野獣が住んでおり、形状は普通の牛のようで体は青蒼色をしており角は無く、蹄があった。海水に出入りするときには大風大雨を伴い、その身体から発する光は太陽や月と同じでその咆哮は雷鳴と同じであった。名を夔と言った。黄帝は夔を得て、その皮で太鼓を造り、雷獣の骨で造ったバチでその太鼓をたたくと、雷鳴のような声が五百里の外まで響き渡った。これを用いて天下に威を示した。”とあり、夔のことが書かれています。




夔に関しては以下をご覧ください!

夔:伝説によるとこの世のどこかにあと一匹存在する一本足の牛

黄帝に関しては以下をご覧ください!

黄帝:中国の始祖であり古代神話中最大の功労者

山海経大荒東経に関しては以下をご覧ください!

山海経を読もう!No,14 大荒経大荒東経編

山海経の記述では夔は牛のような怪物であると書かれていますが、古代では夔と言えば蛇や龍の形状として描かれる場合が多く、書物にも龍として書かれている場合が多くみられています。

商の晩期と西周時代には青銅器の装飾で夔龍紋は主要な紋飾の一つでした。多くは口を大きく開き尾を巻いている細長い形状として装飾されています。これは青銅器の形状に合わせた曲線として描くことで審美性を高めています。

夔龍は一本足の龍と言う意味の他にも、帝舜の二人の家臣を指している場合もあります。夔は楽官で、龍は諫官でした。《書・舜典》には、”伯が稽首の礼で夔龍に譲った。”とあります。孔伝は、夔龍は二臣名、と書いています。

帝舜に関しては以下をご覧ください!

舜:五帝に数えられる古代中国の名君で意地悪な親にも忠孝を尽くした帝

夔という漢字は古代ではかなり大切な意味を持っていたと考えられています。現在では帝俊や帝舜、そして帝嚳はもともと夔と言う神様が分かれた存在であるという解釈もあります。

帝俊に関しては以下をご覧ください!

帝俊:天帝でもともとは夔と言う神様な上、太陽と月の父親でもあった帝

出典:baike

鼓(こ gu3 グゥ)

鼓は龍の体に人の頭部を持つ神の子です。

山海経の西山経には、”さらに西北へ四百二十里に鐘山があり、その山神の子は鼓と言った。鼓の外見は人の顔に龍の体であり、かつて欽丕と共に崑崙山の南面で天神葆江を殺した。天帝はこのことで鼓と欽丕を鐘山の東面の■崖の場所で誅殺した。欽丕は大鶚に変わり、形状は普通のクマタカであるが黒色の模様と白色の頭部、紅色の嘴に虎の爪を持っていた。鳴き声は晨鵠と同じであり、出現すると大戦争が起こったと言う。鼓も鵕鳥に変わり、形状は一般的なハイタカであるが紅色の脚とまっすぐな嘴を持っていた。体には黄色の模様があり頭部は白色で、鳴き声は鴻鵠(こうこく)と似ていた。現れた地方はどこでも干ばつが起こったと言う。”とあります。




この神話中では鼓は天神葆江を殺した罪で天帝に誅殺されています。さらに誅殺された後には鵕鳥に変わり干ばつの兆しとなりました。

山海経西山経に関しては以下をご覧ください!

山海経を読もう!No,2 五蔵山経西山経編

出典:baidu

馬絆蛇(ばはんだ ma3ban4she2 マァバンシォー)

馬絆蛇は馬絆とも言い、現在の四川省から雲南省にかけての河川に生息していた蛟龍で、山海経にもその記述が見られます。

山海経の中山経には、”山海経の中山経には、”東流は大江に注ぎ、その中に多くの怪蛇がいた。”とあり、晋の時代の郭璞はこの山海経の記述に対して、”永昌郡に鈎蛇がおり、体長は数丈で尾は分岐しており、水中にいて尾の鈎で岸にいる人牛馬をさらいこれを食べる。”と注釈を記しています。つまり、山海経に書かれている怪蛇は鈎蛇であると言っています。この鈎蛇は馬絆蛇のことを言っていると考えられています。

四川から雲南の人々は、人を襲い食べてしまうこの怪物を恐れていました。蛇に似ていますが、その頭部は鼠や猫に似ていると言われ、頭頂部には星状の斑点があると言います。体は巨大な龍のようで移動した痕跡はまるで小屋を曳いて動かしたようでした。馬絆蛇の体表は湿っており生臭く悪臭を放っていました。馬絆蛇が出没すると河川は汚染されてしまい、空気も悪臭となり耐え難いといいます。

大きな蛇で生臭く体液が周囲の河川などを汚染してしまうという記述は相柳が連想されます。しかし、馬絆蛇と相柳が同一の怪物であるかどうかは不明です。

相柳に関しては以下をご覧ください!

相柳と浮遊:共工の忠実なしもべで洪水を起こす凶悪無比の悪神たち

山海経、中山経に関しては以下をご覧ください!

山海経を読もう!No,5 五蔵山経中山経編

出典:wiki

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