中国神話中に出てくる神様を紹介する特集第二弾ですが、今回は神仙耕父と神仙于児、欽丕と鼓の神殺しコンビをご紹介いたします。
神仙耕父(しんせんこうほ shen2xian1geng1fu4 シェンシエンゴンフゥ)
神仙耕父は衰退の兆しである神様で、水に出入りする際は閃光を放つという不思議な神様です。
神仙耕父は山海経の中山経に記載が見られ、”さらに東南へ三百里に豊山があった。山中には野獣がおり、形状は猿のようであるが紅色の眼と紅色の口をしており、体は黄色であった。名を雍和と言った。雍和が出現した国はどこでも大きな恐怖が発生した。神仙耕父はこの山におり、常に清泠淵で遊覧していた。水に出入りするときには決まって閃光を放ち、神仙耕父が出現した国はどこも衰退したと言う。”とあります。
劉昭は、南都賦を引用して、”耕父、旱鬼である。”と注釈を書いています。このことから神仙耕父は旱鬼、つまり旱魃であるとも言われています。
山海経中山経に関しては以下をご覧ください!
旱魃に関しては以下をご覧ください!
旱魃:美しい女性から恐ろしいキョンシーにまで変わってしまった悲劇の天女
出典:baidu
神仙于児(しんせんうじ shen2xian1yu2er2 シェンシエンユィーアル)
神仙于児は気ままに漂っている神様です。
神仙于児は山海経の中山経に記載が見られ、”さらに東へ百五十里に夫夫山があり、山上からは黄金を多く産出し、山下からは石青、雄黄を多く産出した。ここの樹木は桑、カジノキが最も多く、草は竹子、鶏谷草が最も多かった。神仙于児はこの山中に住み、形状は人の体で両手に二条の蛇を握っていた。よく長江の深淵中で泳ぎ遊んでおり出没する際には常に閃光があった。”とあります。
晋の郭璞は、《山海経図賛・神于児》で、”于児は人のようで、蛇の頭が二つあり、常に江淵で遊び、洞広に現れ、水に潜りながら出て、神光は恍惚としていた。”と説明しています。
山海経中山経に関しては以下をご覧ください!
出典:baidu
欽丕と鼓(きんひ qin1pi1 チンピー, こ gu3 グゥ)
欽丕と鼓は神殺しの大罪を犯した神たちです。しかも、殺神現場は聖なる山である崑崙山の南面と言う聖地を穢したというおまけつきです。
欽丕と鼓に関する神話は山海経の西山経に記載が見られており、”さらに西北へ四百二十里に鐘山があり、その山神の子は鼓と言った。鼓の外見は人の顔に龍の体であり、かつて欽丕と共に崑崙山の南面で天神葆江を殺した。天帝はこのことで鼓と欽丕を鐘山の東面の■崖の場所で誅殺した。欽丕は大鶚に変わり、形状は普通のクマタカであるが黒色の模様と白色の頭部、紅色の嘴に虎の爪を持っていた。鳴き声は晨鵠と同じであり、出現すると大戦争が起こったと言う。鼓も鵕鳥に変わり、形状は一般的なハイタカであるが紅色の脚とまっすぐな嘴を持っていた。体には黄色の模様があり頭部は白色で、鳴き声は鴻鵠(こうこく)と似ていた。現れた地方はどこでも干ばつが起こったと言う。”とあります。
両者とも天帝により誅殺されており、その後はそれぞれ戦争の兆しと干ばつの兆しと言う不吉な鳥として甦っています。
山海経西山経に関しては以下をご覧ください!
出典:baike
下のリンクをクリックすると中国の神獣や妖怪をまとめたページへ移動します。