山海経翻訳シリーズNo,10 海内経海内南経編です。
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山海経:中国の妖怪はここから来ている!妖怪のネタ帳として有名な山海経
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今回も様々な人や野獣たちが出てきていますが、特に気になる怪物は兕(じ)です。道を説いたかの老子は牛に乗っていたことで有名ですが、この老子が乗っていた牛は青牛と呼ばれ、なんと兕の事なのです。その他にも悲劇の神の成れの果ての窫窳(あつゆ)や像を一飲みにした洞庭湖の巴蛇(はだ)など、后羿に倒された怪物たちも出てきています。氐人国の人は魚の胴体に人面とはまさに人面魚ですね((;゚Д゚))
- 翻訳文
海内は東南の隅から西方の国家地域の事であり、山丘河川の様子は以下の通りである。
甌(おう)は海中にあり、閩(びん)も海中にあった。その西北面には山があった。別の言い方をすると、閩地の山は海中にあった。
三天子鄣山は閩の西北面にあった。別の言い方をすると、三天子鄣山は海中にあった。
桂林の八棵樹は非常の大きく樹林を形成しており、番隅の東面にあった。
伯慮国、離耳国、雕題国、北朐国は皆郁水の南岸にあった。郁水は湘陵南山から流れ出ている。別の言い方をすると、伯慮国は柏慮国と言った。
梟陽国は北朐国の西面にあり、その国の人々は人の顔で唇が長く、体は黒く長い毛があった。足のかかとは前方にありつま先は後方にあった。口を張り大笑いし、左手には竹筒を握っていた。兕(じ)は帝舜が葬られた地の東面、湘水の南岸にいた。
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兕の形状は一般的な牛のようで、体は青黒く角が一本あった。
蒼梧山、帝舜はこの山の南面に葬られ、帝丹朱はこの山の北面に葬られた。
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舜:五帝に数えられる古代中国の名君で意地悪な親にも忠孝を尽くした帝
三百里四方に林が広がっており、猩々がこの地の東面で生活していた。
猩々は人間の姓名を知り、この野獣の形は一般的な豚に似ているが人の顔をしており、帝舜が葬られた地の西面で生活している。
猩々の西北面には犀牛がおり、その形状は一般的な牛で全身は黒色であった。
夏朝国王啓の臣下で孟塗と言い、巴地を管轄し訴訟の神であった。巴地の人は孟塗の所へ告訴をしに行き、告訴をした人が血の跡で濡れた衣服を持っていると、犯人はすぐさま孟塗に捕らえられた。これにより冤罪は無く、生まれながらに持っている徳である。孟塗は山の上に住んでおり、その山は丹山の西面にあった。
丹山は丹陽の南面にあり、丹陽は巴の属地である。
窫窳(あつゆ)は龍と同じ頭部で、弱水中に住んでいた。人の姓名を知ることができる猩々の西面で、その形状は貙(雲豹)のようで、龍の頭があり人を食べた。
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蛟龍、虬龍、燭龍、蟠龍、窫窳など様々な龍たち:中国の神獣、四象、霊獣特集
一種の樹木があり、その形状は牛のようで引っ張ると樹皮が剥がれ落ちた。その様子は冠帽上の纓帯のようで、黄色の蛇皮であった。その葉は羅網、果実はモクゲンジの果実のようで、木の幹はハリゲヤキのようであった。名称は建木である。この種の建木は窫窳のいる場所の西の弱水のあたりにあった。
氐人国は建木がある場所の西面で、そこに住む人々は人の顔をしているが、体は魚で足は無かった。
巴蛇は大象を飲み込み、三年後にその骨を吐き出す。徳のある人物が巴蛇の肉を食べると、心や腹を痛める類の病気にはかからない。この巴蛇の色は青色、黄色、紅色、黒色が混ざっていた。別の言い方をすると、巴蛇は黒色の体で青色の頭で、犀牛のいる場所の西面にいた。
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化蛇、巴蛇(修蛇)、委蛇など様々な恐ろしい中国の蛇の妖怪たち
旄馬(ぼうま)、形状は普通の馬で四本の足の関節の上には長い毛があった。旄馬は巴蛇のいる場所の西北面、ひときわ高い山の南面にいた。
匈奴国、開題国、列人国は全て西北面にあった。
以上
出典:baidu