中国神話の奇妙な魚の怪物を集めてみた。怪魚特集1(虎蛟、薄魚、赤鱬、横公魚、珠蟞魚、鰼鰼魚、龍魚、鯥)

古代中国には不思議な魚が多くいたとされています。形状はかなり奇妙なものが多く、人面魚などもいます。今回はそんな不思議がいっぱいの古代中国の魚の怪物を集めてみました。

虎蛟(ここう hu3jiao1 フージアオ)

虎蛟は中国古代神話に出てくる魚です。体は蛇の尾を持っており、水中に住んでいて魚でも蛇でもない怪蛟です。


虎蛟は山海経の南山経に記述が見られており、”天虞山から東へ五百里に祷過山があり、山上からは金属鉱物と玉石が多く産出され、山下には至る所に犀、兕の他に多くの怪物がいた。山中には禽鳥がおり、形状は鵁のようだが白い頭部で三本足、人と同じ顔をしていた。名を瞿如(くじょ)と言った。その鳴き声は自分の名前を呼んでいるように聞こえた。泿水はこの山をより出でて南に向かい大海に注いでいた。水中には虎蛟の一種がおり、形状は一般的な魚の体だが蛇のような尻尾が一本あり頭はオシドリの頭で、その肉を食べると潰瘍疾病にならず、痔の治療にも使用できるという。”とあります。




虎蛟は南方の泿水と言う川に生息しており、頭部はオシドリと言う奇妙な姿をしています。晋の郭璞はこの虎蛟に対して、”蛇に似た蛟で四足、龍に属す。”と注釈を加えています。

蛟とは一般的に角のない龍のことを言い、ひとに害をなす者も多かったので悪蛟などとも呼ばれえていたとも伝えられています。

蛟に関しては以下をご覧ください!

蛟龍、虬龍、燭龍、蟠龍、窫窳など様々な龍たち:中国の神獣、四象、霊獣特集

山海経南山経に関しては以下をご覧ください!

山海経を読もう!No,1 五蔵山経南山経編

出典:baidu

薄魚(はくぎょ bo2yu2 ボーユィ)

薄魚は山海経に記述がみられる怪魚です。

魚は山海経の東山経に記述が見られており、”さらに東南へ三百里に女烝山があり山上には草木はなかった。石膏水はこの山より流れ出て西へ向かい鬲水へと注いだ。水中には多くの薄魚がおり形状は一般的な鱔魚であるが一つ目で発する声は人が嘔吐しているような声であった。一度現れると天下に大干ばつを引き起こしたと言う。”とあります。

目が一つしかなく、大干ばつの兆しとして書かれています。現代ではこの薄魚は鱣魚、つまり黒竜江流域に多く生息しているダウリアチョウザメのことを書いていると考えられています。

山海経を読もう!No,4 五蔵山経東山経編

出典:baidu

赤鱬(せきじゅ chi4ru2 チールゥ)

赤鱬は別名儒良、鰻、締魚などとも言い、古代中国伝説中の怪物です。

山海経の南山経には、”英水はこの山から流れ出て南へ向かい翼澤に注いだ。澤の中には多くの赤鱬がおり、その形状は一般的な魚であるが人面であり、発する声はオシドリの鳴き声と同じであり、その肉を食べると疥癬に罹らないという。”とあります。




人面魚として描かれていますが、その肉には疥癬予防という薬効があると考えられています。赤鱬は同じく山海経に出てくる、北山経の人魚、中山経の締魚、海外西経の龍魚、海内北経の陵魚などは全てこの赤鱬を指していると言う説もあります。

山海経を読もう!No,1 五蔵山経南山経編

出典:baidu

横公魚(おうこうぎょ henggong1yu2 ホンゴンユィ)

横公魚は鯉に似ており赤く、体長は七、八尺ある怪魚です。石湖で生まれ昼には水中に、夜には人になると言います。

刺しても入らず、煮ても死にませんが、烏梅二枚と共に煮ると死んでしまい、それを食べると邪や病を遠ざけることが出来ると言います。

横公魚は神異経の北方荒経に記載が見られ、夜になると岸へ上がり重厚な外殻を脱ぐと言います。その姿は人に似ているために夜に人に変わるという伝説が生まれたと言います。

出典:baidu

珠蟞魚(しゅべつぎょ zhu1bie1yu2 ジュゥビエユィ)

珠蟞魚は珍珠を吐くことが出来ると言い、形状は何と肺と言う六本脚の奇妙な生き物です。

蟞という漢字は鱉や鼈と異体字です。鱉と鼈は同じく亀のすっぽんを意味していますので蟞もすっぽんを意味しています。漢字を見てみると蟞には虫がありますが、古代ではすっぽんも虫に分類されていたことに由来しています。そもそも虫という漢字は蛇の頭に由来していると言われているように、虫は蛇や蜥蜴と言った爬虫類も含む小動物全体を指す言葉でした。


山海経の東山経には、”さらに南へ三百八十里の葛山の頂上には草木は無かった。澧水はこの山より流れ出て東へ向かい余澤へと注いだ。水中には多くの珠蟞魚がおり、その形状は動物の片方の肺のようであるが、四つの眼があり、六本の脚があり、珠子を吐くことができた。珠蟞魚の肉は酸味の中に甘みを帯びており、その肉を食べると疫病に感染しないと言う。”とあります。

目が四つある上にその肉を食べると疫病の予防に効果があるという薬効があります。また、肉の味は酸っぱくて甘いという奇妙な味をしています。一般的な魚の肉で酸っぱくて甘いという味は想像できません。足の本数から昆虫などのことを指しているのかもしれません。

山海経東山経に関しては以下をご覧ください!

山海経を読もう!No,4 五蔵山経東山経編

出典:baidu

鰼鰼魚(しゅうしゅうぎょ xi2xi2yu2 シーシーユィ)

鰼鰼魚は十本の羽があり、その羽の先端には鱗を持つという奇妙な魚です。

山海経の北山経に記述が見られ、”さらに北へ三百五十里に涿光山があった。嚻水はこの山より流れ出て西へ向かい黄河へと注いだ。水中には沢山の鰼鰼魚がおり、形状は一般的なカササギのようだが十本の羽があり羽の先端には鱗で覆われており、カササギの鳴き声と似ていた。人が飼うと火を避けると言い、食べると黄疸病に効果があると言う。”とあります。

鰼鰼魚は火を避けることが出来るとされており、さらにその肉には黄疸病に対して薬効があるとされています。

山海経北山経に関しては以下をご覧ください!

山海経を読もう!No,3 五蔵山経北山経編

出典:baidu

龍魚(りゅうぎょ long2yu2 ロンユィ)

龍魚は現在ではアロワナを意味しますが、古代中国では魚の怪物を表していました。

龍魚の記述は山海経の海外西経にみられており、”水中に住むことができ、また山陵でも住むことができる龍魚が沃野の北面にいた。龍魚の形状は一般的な鯉のようであった。別の言い方をするとハゼのようであった。神聖の人がおり龍魚に乗って広大な原野の上を漫遊していた。別の言い方をすると、鼈魚は沃野の北面におり、この種の魚の形状も鯉と似ていた。”とあります。

龍魚は鯉やハゼに似ているという魚ですが、神聖な人の乗り物にもなっていますので非常に不思議な魚です。

山海経海外西経に関しては以下をご覧ください!

山海経を読もう!No,7 海外経海外西経編

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鯥(むつ lu4 ルゥ)

鯥は一般的なムツではなく、淡水に住む奇妙な魚です。

山海経の南山経に記載が見られ、”さらに東へ三百里に柢山があり、山間には多くの水が流れていた。草木は無かった。魚がおり、牛のような形状で斜面の上に住んでおり、蛇のような尻尾と翼があった。翼は肋骨の上に生えており、鳴き声は犁牛のようで、名を鯥と言った。冬にはじっとしており夏になると活発に活動を開始し、鯥の肉を食べると癰腫(感染症などによる腫れ)疾病にかからないという。”とあります。

鯥には翼がありますが飛べるかどうかまでは書かれていません。さらにその肉は腫れに効くという薬効も書かれています。

山海経南山経に関しては以下をご覧ください!

山海経を読もう!No,1 五蔵山経南山経編

出典:baidu

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