中国神話の奇妙な馬の怪物を集めてみた。怪馬特集2(戎宣王屍、三騅、峳峳、水馬、孰湖)

古代中国の馬の怪物特集の二回目ですが、今回も不気味な怪物が沢山出てきます。特に戎宣王屍などは夜の山道で出会いたくないですね…。

戎宣王屍(じゅうせんおうし rong2xuan1wang2shi1 ロンシュェンワンシィー)

戎宣王屍は古代中国の怪物です。名前に王とありますが王ではなく馬のような姿をしています。そして恐ろしいことに頭が有りません。

戎宣王屍は山海経の大荒北経に記載が見られ、”大荒中に融父山という名の山があり、順水はこの山を流れ込んだ。犬戎という名の人がいた。黄帝は苗龍を生み、苗龍は融吾を生み、融吾は弄明を生み、弄明は白犬を生んだ。この白犬は両性であり、犬戎族人となり、肉類を食物とした。形状は普通の馬で頭は無く名を戎宣王屍と言った。”とあります。




頭がないにもかかわらず肉を食べると言う奇妙な生態を持っています。戎宣王屍はもともとは黄帝の子孫で犬戎族人とも言われていると読み取れます。黄帝の子孫ですとその血統からかなり上の地位であると考えられます。伝説では戎宣王屍は犬戎族人が信奉していた神であるとされています。

黄帝に関しては以下をご覧ください!

黄帝:中国の始祖であり古代神話中最大の功労者

山海経大荒北経に関しては以下をご覧ください!

山海経を読もう!No,17 大荒経大荒北経編

出典:baidu

三騅(さんすい san1zhui1 サンジュイ)

三騅は山海経に記載が見られている青い馬です。

山海経の大荒南経には、”蓋犹山という名の山があり、山上には甘柤樹があり、枝と茎幹は全て紅色であり、葉は黄色で花は白で果実は黒色であった。この山の東端にはさらに甘華樹が生えており、枝と茎幹は全て紅色で、葉は黄色であった。青色の馬がいた。さらに紅色の馬がおり、名を三騅と言った。また視肉がいた。”とあります。

この三騅は怪物ではなく普通の馬のことを指していると考えられています。一方で、文中にある視肉(しにく)ですが、この視肉は斬っても斬っても死なない肉の塊です。しかも切り刻むとその肉片ごとに増殖を開始すると言う恐ろしい怪物として語られています。しかもこれは事実と言えば事実であり、実際に視肉を刻むと肉片ごとに増えだします。この視肉は実は粘菌の事であり、大きなものは太歳(たいさい)とも言われており、現代の中国でも珍重されています。




視肉に関しては以下をご覧ください!

視肉:食べても食べても元に戻ってしまう不老不死を与える仙薬の原料

山海経大荒南経に関しては以下をご覧ください!

山海経を読もう!No,15 大荒経大荒南経編

出典:山海経

峳峳(ゆうゆう you2you2 ヨウヨウ)

峳峳は神話時代の野獣を指しています。


峳峳は山海経の東山経に記載が見られており、”さらに東へ五百里に(石垔)山があり、南面は水に臨み、山上から東を向けば湖澤が望めた。山中には野獣がおり、形状は一般的な馬であるが、羊と同じ眼、四本の角、牛と同じ尻尾をしており、発する声は犬の泣き声のようであった。名を峳峳と言い、現れた国には奸臣が多くいると言う。”とあります。

四本角の馬のような形状ですが、気になるのが奸臣の多くいる国に出現すると言うことです。峳峳が現れないような国になることが望まれますね。

山海経東山経に関しては以下をご覧ください!

山海経を読もう!No,4 五蔵山経東山経編

出典:baidu

水馬(すいば shui3ma3 シュイマァ)

水馬は山海経の北山経に記載が見られており、”さらに北へ二百五十里に求如山があり、山上には豊富な銅が埋蔵されており、山下には玉石が豊富にあったが、草木は無かった。滑水はこの山より流れ出て西へ向かい諸■水に注いだ。水中には滑魚が多くおり、形状は一般的なタウナギのようで、紅色の背に発する声は人が言葉に詰まった時に発するような音であった。その肉を食べるといぼが治ると言う。さらに水中には多くの水馬が住んでおり、その形状は一般的な馬に似ているが、脚の上に花紋があり、牛の尻尾があった。その鳴き声は人の怒鳴り声のようであった。”とあります。

分を見る限り普通の馬っぽいです。水馬は日本では水の上をすいすいと走るあめんぼのことを指していますが、中国ではあめんぼと言う意味はありません。その代わりと言っては何ですが、道路工事の際に道路と工事現場を区切る水を入れて重くした障害物を水馬と呼んでいます。

山海経北山経に関しては以下をご覧ください!

山海経を読もう!No,3 五蔵山経北山経編

出典:baidu

孰湖(じゅくこ shu2hu2 シューフ)

孰湖は古代中国神話中の翼のある馬ですが、残念なことにペガサスではなく顔は人面です。

孰湖は山海経の西山経に記載が見られており、”さらに西南へ三百六十里に崦嵫山があり、山上には丹樹が生い茂っており葉はカジノキの葉に似ていた。果実は瓜くらいで花には紅色のがくがあるが黒色の模様を帯びていた。人が食べると黄疸病が治癒し、火を避けることができると言う。山南面には多くの烏亀がおり、山北陰面の至る所には玉石があった。苕水はこの山より流れ出て西へ向かい大海へ注いだ。水中には多くの磨石があった。山中には野獣がおり形状は馬の体に鳥の羽を持っており人面で蛇の尾があり、人を抱き合抱えることを好み、名を孰胡と言った。”とあります。

山海経西山経に関しては以下をご覧ください!

山海経を読もう!No,2 五蔵山経西山経編

出典:baidu

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