視肉:食べても食べても元に戻ってしまう不老不死を与える仙薬の原料

視肉(しにく shi4rou4 シィロウ)

視肉は山海経の中で広範囲に渡って記述がみられる謎の生き物です。視肉は聚肉、太歳、封などとも呼ばれ古代の帝たちが養生のために好んだと言われています。現代では肉霊芝の事を指しています。

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李時珍の《本草網目》に記載されている肉霊芝は菜部芝類に収められており、可食用で薬となり本経上品とされ、その効能は”食べ続けると体が軽くなり老いず神仙のように寿命が延びる。”とあります。また、その形状については、”肉芝は肉のようである。大きな石に付着しており頭から尾まであり、生物である。赤いものはサンゴのようで、白いものは脂肪のようで、黒いものは澤漆のようで、青いものは翠羽のようで、黄色いものは紫金のようであった。皆氷の塊のように透き通り光っていた。”とあります。

《神農本草経》には、”肉霊芝、無毒、補中、益精気、増智慧で胸中結を治し、久しく服用すると身が軽くなり老いず。”とあります。

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神農本草経は漢代に書かれましたが、時代を経て東晋になると時の道家の葛洪は、《抱朴子》中に、”諸芝を搗き粉末にし、水で服用すると身を軽くし長寿不老となる。”と書いています。昔から変わらず肉霊芝の高い効能が言い伝えられています。




肉霊芝とは何かと言いますと、現代の生物学では一種の大型の粘菌複合体とされていますが生態とその医薬としての効能は実はまだよくわかっていません。年月とともに徐々に大きくなり、粘菌ですので切り取っても時間が経てば元に戻ってしまいます。大きく成長した肉霊芝は太歳と呼ばれ珍重されるとともに、古籍には、太歳は苦く無毒で脾を補い肺を潤し、腎を補い肝を益するなどの効能の記述が見られます。

  • 古い書物に記載されている視肉

視肉は古代の帝王が好んで食べたと言われています。山海経には視肉の記載が多くみられることから、様々な場所に生息していることが伺えます。また、山海経に記載されている視肉の特徴は、”食べても尽きず、しばらくすると元に戻っている。”や”一片食べるとその分元に戻っている。”と言う特色が記載されています。つまり、食べても食べた分は再生して元に戻ってしまうのです。

神話時代の帝王は、黄帝も堯も舜も禹も皆百歳以上生きており、視肉や聚肉を食べていました。昔に人々は視肉や聚肉には食べると寿命を百歳以上に伸ばす効能があったと思っており、このため歴代の帝王は皆視肉やこの種の不老長寿の仙薬を探し求めたと言います。

神話時代から時が流れ、実際に記録の残っている秦の時代にも仙薬は探し求められていました。《史記・秦始皇帝本記》には、”秦始皇が六国を統一した後、皇帝として即位すると東方に仙薬があると聞いた。その仙薬を食べると不老長寿となり仙に成れると言い、秦二十八年に自ら東へ行き仙薬を探した。始皇帝は山東省の琅琊鎮へ至るとその地の著名な名医である徐福を訪ね、不老長寿の仙薬を探すように命じた。徐福には莫大な人と物資を与えた。徐福は千名の童男童女を引き連れて東へ行き、山東の蓬莱へ至るり仙薬を探したが見つからなかった。このため徐福は船を修復して三千人の童男童女を引き連れ浙江から蓬莱、扶桑を経て瀛州、方丈へ至り仙薬を探し続けた。(瀛州、方丈は日本の事を指しているのではないかと言われています。)”とあります。伝えられるところによると秦始皇が徐福に探させたのは太歳ではないかと言われています。太歳とは肉霊芝の巨大なものを指します。他にも木星の意味を持っています。

  • 本物の太歳か偽物かの見分け方

太歳は高級品ですので偽物が出回っています。一般に偽太歳には二種類あり、一つはシリカ製です。これは簡単に偽物とわかり、口に入れてみると鼻を刺すようなゴム臭があります。もう一つは紅茶菌を使う偽太歳です。紅茶菌を粗糖水につけるとその水は酸味を帯びている上に淡黄色になります。これは肉眼でも確認でき、この水が出てくると偽物です。

  • 肉霊芝の効能

肉霊芝の薬効に関しては現在研究が進んでいます。人体の免疫機能が低下すると様々な失調を生じます。太歳にはこの免疫機能を調節し活性化する作用があり、免疫機能を高めます。このため腫瘍に効果があると言われ、抗がん作用を持つのではないか言われています。また、太歳には糖、ペプチドを多く含み抗老衰作用もあると言われています。

太歳は生命力が強く野生の太歳は古代よりずっと生きています。さらに切り取ると切り取った破片から成長を始めますので栽培することが可能ですが、成長速度が非常に遅く太歳になるまで非常に長い年月がかかってしまいます。太歳は寒さに強く、-18度で50時間放置した後でも死なずに活動を続けます。防腐性も高く、陽にあたっても死なず、乾燥でも死なず、養分が無くても死にません。

  • 肉霊芝が高価な理由

太歳肉霊子の価格は非常に高く、希少価値に由来しています。漢代に書かれた山海経などの書物には多くの記載が見られていますが、現代では野生の肉霊芝はなかなか見つからず流通量は非常に少ないです。また、栽培するにも成長に時間がかかるので流通量は少ないです。

出典:baidu

今回は視肉のお話でした。視肉は昔の人にとっては不気味な生き物です。山海経には怪物のように書かれていますが、不気味な見た目に加えて切っても切っても元に戻れば怪物のように考えてしまいまそうですね。

最近でも時折太歳が発見されたと言う報道もありますが、大きい物はニュースになるくらい注目されます。

一度食べてみたいよなみたくないような(;´∀`)

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