因因乎(いんいんこ? yin1yin1hu1 インインフー)
因因乎は山海経に出てくる風神です。大荒南経には、”神人がおり、名を因乎と言い南方の人は因と呼び、南方から吹く風は民と称した。因乎は大地の南極におり風が吹くことと止むことを司っていた。”とあります。この因乎は因因乎とも呼ばれています。
因因乎の形状は1895年に出版された山海経存には、両腕を胸の前で組んでおり吐き出した気流は風の文字を作っている姿で描かれています。因因乎は南方から吹く季節風を神格化した風神のように考えられます。冬から春などの季節の変わり目などに吹く南風は因因乎がもたらしたと考え信仰していたことが伺えます。
山海経注の南極ですが、大陸がある南極ではなく南の果てと言う意味で、風は地の果てから吹いていると考えられていました。
中国神話で有名な風神には風伯がいます。風伯は涿鹿の戦い(たくろくのたたかい)で雨師と言う雨神と共に黄帝と戦い黄帝軍を壊滅寸前にまで追い込んでいます。また、風伯や雨師は農業で信仰されており、災害を防ぐことや適度の雨をもたらすこと等を願い祀られていました。
風伯、雨師に関しては以下をご覧ください!
その他にも同じく山海経に記載されている禺疆と言う風神がいますが、こちらは北西風を司る神で風と共に疫病を運ぶと言われており風神であるとともに疫神であるとも言われています。禺疆の外見は魚の体に手足があると言う山椒魚のようです。一方で因因乎の外見は山海経には記載が見られませんがおそらく禺疆のように体は何かの動物に手足がついている見た目ではないかと推測されます。
禺疆に関しては以下をご覧ください!
禺疆:海神であり風神でありさらに疫病を運ぶ瘟神でもある人面鳥身の神様
出典:baidu
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