山海経翻訳シリーズNo,6 海外経海外南経です。
山海経の概要に関しては以下をご覧ください!
山海経:中国の妖怪はここから来ている!妖怪のネタ帳として有名な山海経
山海経のその他の翻訳に関しては以下をご覧ください!
この海外南経は少し詩的な表現が見受けられますので、別な人が書いたと推測することができます。もう一つの特徴は滅蒙鳥を基準にして各国の位置を示している点です。滅蒙鳥の位置が分からないとどこがどこだかさっぱりわからなくなりますね(;´∀`)
- 翻訳文
大地が負うところ上下四方の間にある万物は四海以内にあり、太陽と月が照らす。大小の星々が過ぎゆき春夏秋冬の季節があり、そして年の神である太歳(木星のこと)が正しく時を刻む。大地の上の一切は全て神霊が変わり作られた。故に万物は各々異なった形状があり、寿命の長い短いもある。ただ聖明の人物のみがこの道理を理解するのである。
海外は西南の角から東南の角にあたる国家地区で、山丘河川の様子は以下に記述する通りである。
結胸国は滅蒙鳥のいる場所の西南面にあり、そこに住んでいる人は鳩のように胸が突き出ている。
滅蒙鳥に関しては以下をご覧ください!
南山は滅蒙鳥の東南面にある。この山からくる人は虫を蛇と呼び、蛇を魚と呼ぶ。別の言い方をすると、南山は結胸国の東南面にある。
比翼鳥は滅蒙鳥の東面におり、青色と紅色が入り混じった羽毛を持つ鳥で、二羽の鳥が翼を合わせることで飛翔できる。別の言い方をすると、比翼鳥は南山の東面にいる。
比翼鳥に関しては以下をご覧ください!
比翼鳥:翼が一本と目が一つしかない鳥だが二羽集まると飛べるようになる神秘的な鳥
羽民国は滅蒙鳥の東南にあり、そこの人は皆頭部が非常に長く、全身に羽毛が生えている。別の言い方をすると、羽民国は比翼鳥の東南面にあり、そこに住む人々は皆両頬が非常に長い。
二十八という神人がいた。手と腕が連なっており、曠野に居り天帝のために夜を守っていた。この神人は羽民国の東面におり、そこにいる人々はみな頬が狭く小さく紅色の肩であった。全部で十六柱いた。
畢方鳥(びほうちょう)は滅蒙鳥の東に居り、青水の西面にあたる。この種の鳥は人面で一本足である。別の言い方をすると、畢方鳥は二十八神人の東面にいる。
畢方鳥に関しては以下をご覧ください!
讙頭国(かんとうこく)は滅蒙鳥の南にあり、そこの人々みな人の顔をしているが二本の翼を持っており、鳥の嘴がついていた。そしてその嘴で魚を捕まえていた。別の言い方をすると、讙頭国は畢方鳥の東面にあった。讙頭国は讙朱国(かんしゅこく)とも言った。
厭火国は滅蒙鳥の南面にあり、そこに住む人々は黒色で獣のような体をしており、彼らの口内から火が吐き出されていた。別の言い方をすると、厭火国は讙朱国の東面にあった。
三珠樹は厭火国の北面にあり、赤水の岸辺に生えていた。そこの樹と普通の柏樹は似ており、葉は全て真珠であった。別の言い方をすると、この場所の樹は彗星、つまりほうき星ような形状をしていた。
三苗国は赤水の東面にあり、そこに住む人々は一人の後ろについてぞろぞろと歩いていた。別の言い方をすると、三苗国は三毛国である。
載国は滅蒙鳥の東面にあり、そこに住む人々は皆黄色い皮膚をしており、弓で蛇を仕留めていた。別の言い方をすると、盛国は三毛国の東面にあった。
貫胸国は滅蒙鳥の東面にあり、そこに住む人々は皆胸の真ん中に空洞が開いていた。別の言い方をすると、貫胸国は載国の東面にあった。
交脛国は滅蒙鳥の東面にあり、そこに住む人々は皆二本の足を互いに交差させていた。別の言い方をすると、交脛国は穿胸国の東面にあった。
不死民は滅蒙鳥の東面にあり、そこに住む人々は皆黒色であり、個々は長寿で人々は不死であった。別の言い方をすると、不死民は穿胸国の東面にあった。
反舌国は滅蒙鳥の東面にあり、そこに住む人々は皆舌の根が前方にあったため、舌先は喉の奥の方向を向いていた。別の言い方をすると、反舌国は不死民の東面にあった。
崑崙山は滅蒙鳥の東面にあり、山の麓は四角い形をしていた。別の言い方をすると、崑崙山は反舌国の東面にあり、山の麓は四方に伸びていた。
羿(げい)と鏨歯(ざんし)は寿華の荒野で戦い、羿は鏨歯を射殺した。この地方は崑崙山の東面にあった。その時の戦いでは、羿は手に弓矢を持ち、鏨歯は盾を持っていたとも、矛を持っていたともいう。
三首国は滅蒙鳥の東にあり、そこに住む人々は皆一つの体に三つの頭がついていた。
周饒国は滅蒙鳥の東にあり、そこに住む人は皆身長が低く、帽子をかぶり腰帯を締め整った身なりをしていた。別の言い方をすると、周饒国は三首国の東面にあった。
長腕国は滅蒙鳥の東面にあり、そこに住む人々が水中で魚を捕っているときには両手にそれぞれ一匹ずつ魚を掴む。別の言い方をすると、長腕国は焦堯国の東面にあり、そこに住む人々は大海の中で魚を捕る。
唐堯は死後に狄山(てきさん)に葬られ、その場所はこの山の南面である。帝嚳の死後にはこの山の北面に葬られた。この山には熊、羆、花斑虎、長尾猿、豹、三足鳥、視肉がいた。吁咽(虞舜)と文王(周文王姫昌)もこの地に埋葬された。別の言い方をすると、湯山であり、さらに熊、羆、花斑虎、長尾猿、豹、離朱鳥(三足鳥)、鷂鷹、視肉、虖交がいた。
舜(虞舜)に関しては以下をご覧ください!
舜:五帝に数えられる古代中国の名君で意地悪な親にも忠孝を尽くした帝
三足鳥に関しては以下をご覧ください!
三百里四方の深い森があった。
南方の祝融神、獣の体に人の顔をしており、二条の龍に乗る。
祝融に関しては以下をご覧ください!
以上
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