畢方:紅色で火の兆しとされている一本足の鶴に似た怪鳥

畢方(ひっぽう bi4fang1 ビーファン)

畢方は古代中国伝説中の怪鳥です。畢方の名前は竹と木が燃焼するときに発する破裂音に由来していると考えられています。畢方の外形は丹頂鶴のようですが、一本足(一説によると足が一本と翼が一本)で、体は藍色で、紅色の斑点があり嘴は白色です。

言い伝えによると、畢方が出現すると大火の予兆であるとされています。また、黄帝にもゆかりがあり、黄帝が泰山で鬼神を集めた時に黄帝は蛟龍が引く戦車に乗り、畢方はその戦車の傍らにいたといいます。このため、畢方は火神の侍寵や火鴉などと称されています。




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  • 文献記載

《山海経・西山経》には、”山中に鳥がいた。その形状は鶴のようで一足、赤の模様と青の体そして白の嘴であった。名を畢方と言った。その鳴き声から名前をつけられた。出現する場所はどこでも火の災害が起こると言う。”とあります。

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また、同じく山海経ですが、海外南経には、”畢方鳥はその東面、青水の西面でいた。鳥の体に人面で一本足であった。別の言い方をすると、二十八神人の東面にいると言う。”とあります。

《韓非子・十過》には、”昔黄帝は鬼神と西秦山の上で合い、象に車を引かせ世に訊く畢方。”とあります。しかし、《駢雅》には、”畢方、火の兆しの鳥なり。”とあり。災難の象徴として書かれています。

  • 畢方と黄帝の伝説

黄帝は七年かけて東方諸国を平定し、続いて中条山の諸猛獣の助けを借りて南方の蚩尤を打ち破り中原の領土は未踏域の手前まで拡張されました。しかし、様々な懸念もありまだまだ安心できる状況にはなく首席大臣の風后は重々しく国王に向かって戦況の報告をしました。

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風后は、”零星の反乱は止みません。蚩尤の残党は依然として辺境各地の平和を脅かしています。東南には有名な総帥の相柳が蛇虫を招集しており。深い森の中で着実に戦力を整えており反撃の準備をしています。西北では霊媒師たちが招魂の法器を使い、蚩尤の魂魄を呼び戻して軍の再建を図っています。軍備が整い次第攻めてくるでしょう。”と言いました。

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黄帝はこの報告を聞いて心底恐ろしくなり、後ろ向きに倒れてしまいました。幸いにも侍女が敏捷で国王を抱えたので硬い床に倒れずに済みました。風后は敵の勢力を瓦解させる作戦を急いで立て始めました。

危機が報告されてから数日後、黄帝は一人火の符号で装飾されている車に乗って泰山へと向かいました。この戦車に乗り五日が経過し、六日目になると戦車の周りに忽然と黒い影の一団が現れた事に気が付きました。この影は次第に大きくなり、次第に姿かたちがはっきりしてきました。その一団は戦車に向かって後ろから飛んできていましたので、後方の影はひときわ大きくなっていました。また、正面の影は風に吹かれて消えてしまいました。




黄帝はまだその形状が何かわからずにいました。すると黄帝は今の状況の推測を始めました。以前に軍隊と戦ったとき、北方の厳寒の地でその統帥の首を斬ると寒風が吹いて血液が凍り付き、血が出なくなってしまいました。名を蚩という甲虫で北方の国土を這いまわっていました。あの統帥は実は蚩尤だったのだ、と黄帝はこのように理解すると戦意を失い戦車の中で完全の茫然自失になってしまいました。

黄帝は蚩尤の影を見ると、その影が黄帝に向かって手を伸ばしていたのです。黄帝は成すすべもなく後方へのけぞり、蚩尤の襲撃から逃げました。

黄帝の叫び声は誰にも聞こえませんでした。なぜなら、一陣の鋭い声が叫び声をかき消したからでした。黄帝は紅の閃光を覚えると、影たちの足音が聞こえなくなっていました。黄帝は顔を覆っていた袖をはらって外を見てみると、黒い影も消えていました。さらに、紅色の大鳥が飛んでおり次第に遠ざかっているのを目にしました。周囲は静寂に包まれ、草木のざわめきや虫などの鳴き声も聞こえませんでした。

何年も後に、風后は再び黄帝にその紅色の鳥について説明したと言います。風后がいうには、その鳥の名は畢方で形状は鶴に似てほぼ同じです。しかし、脚のみは鶴は二本足ですが畢方は一本足で異なり、畢方の羽毛は紅色で嘴もかなり幅広く黒色で白色の花紋があります。敵軍が泰山への道を封鎖し、黄帝を四方から囲んで殺そうとしていた時の鳥はまさにこの鳥です。さらにこの鳥は、亡魂で組織された軍隊を解放できる能力も持っているのです。この亡魂を開放する方法は博識の風后ですら知りませんでした。

この一件以降、四千六百年の間、畢方は中原に姿を現していません。

出典:baidu

今回は畢方のお話でした。一本足で立つ鳥と言えばフラミンゴが想像できますが、フラミンゴはアフリカに住んでいるので別の鳥がモデルとなっていると考えられます。しかし、畢方伝説中に出てくる黄帝は頼りないですね(;´∀`)

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