中国神話の奇妙な鳥を集めてみた。怪鳥特集5(翳鳥、鬿雀、寓鳥、鵁)

古代中国の怪鳥特集第五弾です。今回は翳鳥、鬿雀、寓鳥、鵁をご紹介します。

翳鳥(えんちょう yi4niao3 イーニャオ)

翳鳥は古代中国伝説中の鳥であり、五彩の羽毛を持つことから鳳凰の一種とも言われています。

翳鳥は山海経の海内経に記載が見られており、北海の内に蛇山という山があった。蛇水はこの山より出て東へ向かい大海に注いでいた。五彩の羽毛を持つ鳥がおり、群れを成してとび大空を埋め尽くしていた。名を翳鳥といった。さらに不距山があり、巧倕は不距山の西面に葬られた。”とあります。

鳳凰の一種と言われている一方で、群れを成して飛ぶという記述が引っかかります。鳳凰は梧桐にのみ止まり羽を休め、百年に一度実るとも言われている竹の実のみを食べる伝説の神鳥で大変おめでたい鳥です。大空を埋め尽くすほど大量の鳳凰はおめでたすぎますね。




山海経海内経に関しては以下をご覧ください!

山海経を読もう!No,18 大荒経海内経編

出典:baidu

鬿雀(きじゃく qi2que4 チーチュエ)

鬿雀は漢字から雀の一種かと思いきや、人をぱっくりと食べてしまう恐ろしい鳥です。

山海経の東山経には、”食水はこの山より流れ出て東北へ向かい大海へ注いだ。山中には野獣がおり、形状は狼のようであるが紅色の頭部と鼠と同じ眼をしており、発する声は子豚の声に似ていた。名を獦狚と言い、人を食べた。山中にはさらに禽鳥がおり、形状は一般的な鶏だが白い頭部で鼠と同じ足に虎と同じ爪があった。名を鬿雀と言い、人を食べた。”とあります。

鬿雀の外見は鶏のようですが、足に特徴があり鼠と同じ足に虎の爪を持つといういまいち想像できない足をしています。しかし、この足で人を殺してしまい食べてしまう殺人鳥です。

山海経東山経に関しては以下をご覧ください!

山海経を読もう!No,4 五蔵山経東山経編

出典:baidu

寓鳥(ぐうちょう yu4niao3 ユィニャオ)

寓鳥は羽を持つ鼠として書かれている鳥です。

山海経の北山経には、”伊水はこの山より流れ出て西へ向かい黄河へと注いだ。山中の野獣は橐駝が最も多かった。禽鳥は寓鳥が最も多く、形状は一般的な鼠に似ており鳥と同じ羽があり、発する声は羊のようであった。人が飼うと兵器を避けることができると言う。”とあります。




山海経の文を見る限り、寓鳥はコウモリやモモンガなどのことを言っていると想像できます。しかし、羊の鳴き声をしているコウモリもしくはモモンガっているのでしょうか?

山海経北山経に関しては以下をご覧ください!

山海経を読もう!No,3 五蔵山経北山経編

出典:山海経

鵁(こう jiao1 ジャオ)

山中には禽鳥がおり、群れを好み生活し隊を為して飛んだ。尾は雌の鶏と同じで名を鵁と言った。鵁という名はその鳴き声に字を当てたものである。その肉を食べるとリウマチに効果があると言う。”とあります。




隊を為して飛ぶという記述から雁などの渡り鳥の印象を受けます。また、雌の鶏の尾という極めて普通な尾を持っている鳥でもありますので、普通の渡り鳥の事を言っていると思われますが、肉はリウマチに効くという薬効があるとされています。

山海経北山経に関しては以下をご覧ください!

山海経を読もう!No,3 五蔵山経北山経編

出典:baidu

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