霊亀(れいき ling2gui1 リングイ)
霊亀は神亀と称し、古は龍、鳳、麒麟と並んで四霊と呼ばれるおめでたい神獣です。昔の人は、四霊を見て吉凶を知り、祥瑞を視たと言います。霊気は海の沿岸部で生まれ育ち山上で休み、水中で捕食するのでよく水に入ります。
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《庄子》には、”楚王が庄子を招聘した時、庄子はこう言った。私は楚に神亀がいることを聞いた。その神亀は三千歳で死んだ。”とあります。
霊亀は古代の人々が作り出した長寿を象徴する霊獣であり、長寿の代名詞ともなっています。張衡は《霊憲》で、”蒼龍がとぐろを巻いて左に、白虎は猛々しく右に、朱雀は翼を奮って前に、霊気は首を巻いて後ろにいた。”と描写しています。龍と鳳と麒と亀は古くから四大神獣とされており、尊い生き物とされていました。
麒麟や鳳凰は性格には雌雄を表しています。すなわち、麒が雄で麟が雌の事です。鳳凰も鳳が雄で凰が雌を表しています。しかし、しばしば麒麟で一個体の神獣を表しているのを見かけます。
また、これらの四霊は例えば麒麟が鱗のある動物たちの長であるなど、全ての動物たちの頂点に立った存在です。
《尚書中候》には、”堯の時、水に沈んでしまった壁の上で水神を祭った。すると玄亀が天書を背負い現れ、背の甲羅には赤い文字で、天下の徳が移り変わっている、と書いてあった。周の成王の時にも同様の出来事があった。”とあります。《孫氏瑞応図》には、”亀者、神異の介虫也。黒くて五色あり、上には天のようにそびえ立っており、下には地のように平らであり、三百年生き、蓮の葉の上で遊ぶ。三千歳で尚メドハギの草むらに居る。吉凶に明るく、偏らず集まらず、ただ義に従う。無偏無党で、耆老を尊び用い、旧友を失わない王者の元に現れる。”とあります。
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古代の人々は亀甲を占いに使用し、吉凶や禍福の変化を占いました。この吉凶の兆しは亀の甲羅の亀裂として現れ、またの名を霊亀と言います。任眆の《異述記》には、”いわゆる亀は千年生きると毛が生え、五千歳で神亀となり、万年生きると霊亀となる。”とあります。
出典:baidu
霊亀は古くからおめでたい神獣である瑞獣として信仰されてきました。しかし、中国の亀の神獣は沢山おり、かなりごちゃまぜになっている印象を受けます。霊亀と似たような亀の神獣に、玄武や玄亀、玄冥、旋亀、神亀などがいます。玄武は四象の一柱であり、古い名は玄冥と言いました。四霊である霊亀と役割は似ています。
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玄武:亀甲占いから生まれ玄冥となりさらに発展し真武大帝となった四象
これは朱雀と鳳凰の関係に似ていて朱雀は鳳凰が赤という色の属性を持った神獣です。つまり、霊亀も黒色の属性を持つと玄武になるかも知れません。
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