三青鳥:西王母の傍にいて西王母と共に現れるという伝説の青い鳥

三青鳥(さんせいちょう san1qing1niao3 サンチンニャオ)

三青鳥は西王母の傍にいるとされる三羽の青い鳥です。西王母は崑崙山を統治していると言われている存在です。山海経に記述がありますが、時代を経ると話に尾ひれがつき後世には様々な逸話が作られています。

古代中国神話では神鳥とされ、色は美しく動きはしなやかです。伝説によると女神西王母の使者で、三匹いるとされています。このため三鳥とも呼ばれています。




三青鳥は鳳凰の前身であり、飛行能力の高い鳥で神性を持つ吉祥物です。漢代の絵画には西王母の傍によく描かれています。伝説によれば、西王母の前におり、西王母に謁見する者はまずは三青鳥に先に用件を伝えると言います。これにより三青鳥は幸福の使者と考えられるようになりました。

  • 文献に見られる三青鳥

洪興祖は《博物志》で、”西王母は武帝に会いに来た。三青鳥は鶏ほどで西王母の両脇にいた。”とあります。

山海経の海内北経には、”西王母は小さな机にもたれかかり頭には玉勝を乗せていた。西王母の南面には三羽の勇猛でよく飛翔する青鳥がおり、西王母のために食べ物を探していた。西王母と三青鳥のいる場所は崑崙山の北面にある。”とあります。




三青鳥は西王母の傍で西王母の世話を行う鳥として描かれています。

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ここで三青鳥とは三羽とも同じ種類の鳥であるのか、それぞれ別な種類の鳥であるのか疑問がありますが、この疑問に答えるように山海経の大荒西経には面白い記述があり、”三羽の青色の大鳥がおり、紅の頭部で黒々とした目があり、一羽を大鵹と言い、一羽を少鵹と言い、一羽を青鳥と言った。”とあり、三青鳥は大鵹と少鵹と三青と言う三種類の別々の鳥からなるとされています。

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  • 西漢時代に見られる三青鳥

西漢の班固の《漢武故事》には、”七月七日、陛下が承華殿で祭事を行っている時、正午ごろに突然西方より青鳥がやってきて殿の前に集まった。陛下が東方朔(とうほうさく:神異経の作者)にこれは一体何事かと聞くと、朔は答えて「西王母が暮にご降臨なされる前兆ですので綺麗に掃除をしてお待ち申し上げるのがよろしいかと。」と言った。夕方になると西王母が紫の車に乗って玉女を両脇に従え七勝を載せ、青い気は雲のようで、二青鳥がいたが鸞鳥に似ており西王母を挟んで侍っていた。”とあります。

この伝説中には西王母の三青鳥の内、一羽は使者として派遣され、漢の武帝に前もって西王母の来訪を伝え、残りの二羽は西王母と供にやってきました。後世の人々は使者の青鳥を青鸞や青鳥と称するようになりました。

出典:baidu

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