第三巻:捜神後記を翻訳してみた

捜神後記、第三巻のご紹介です。

  • 程咸

程咸は字を延祚と言った。母親は程咸を妊娠しているときに、夢で老翁が彼女に薬を贈った。「この薬を飲むと、尊貴な子供が生まれるであろう。」と、その老翁は言った。晋の武帝の時代に、程咸は官職を歴任して侍中になり、世の中で名声が高かった。

  • 流星が瓶に堕ちる

袁真が豫州にいる時、紀陵という女妓に命じて、阿薛、阿郭、阿馬という三名の女妓を桓宣武に贈らせた。彼女たちが贈り先へと向かっているある時、三人は夜中に一緒に部屋を出て庭先で月を鑑賞していた。その脇には満水の銅の瓶があった。




スポンサードリンク

彼女たちは忽然と流星を見ると、それは夜空からまっすぐに落ちてきて瓶の中へと入った。彼女たちは驚き喜んで一緒にのぞき込むと、その流星は二寸ほどの大きさの火珠であり、瓶の水底に沈んでいて光を放っていた。彼女たちは互いに、「これは吉祥のものだけど、誰がもらうの?」と言った。そして、阿薛、阿郭が代わる代わる柄杓で火珠を取り出そうとしたが取り出せず、最後は阿馬がやってみると、上手く取り出せた。そして、阿馬はその火珠を飲んでしまった。飲んだ後、腹部に何かしら感じがあり、しばらくして桓玄を身ごもった。桓玄は皇位を簒奪したが長くは持たなかった。しかし、簒奪していた間は、栄華富貴は尽きなかった。

  • 掘頭船

臨淮公の荀序は字を休元と号し、その母親の華夫人は荀序に普通ならざる愛情を注いでいた。十歳のころ、南方へいた荀序は北方へと帰った。青草湖を過ぎたころ、荀序は船に乗り帆を上げて出港した。船が港を出た後、荀序は突然水中へと落ち込んだ。風に乗ってすでに数十里進んでいた。広大な湖で一面が水であり、荀序の母親は胸に手を当てて湖を見ていた。すると、すぐに一艘の掘頭船が現れ、一人の漁師が必死に船をこいで急いでやってきた。その船には荀序がおり、送ってくれたのだ。漁師は、「私は府君を送り届けました。」言った。荀序は後に常伯の官位にいたり、長沙郡の長官になった。これにより、荀序は府君と称された。

  • 禾満

廬陵郡巴邱県に文晁という人物がおり、代々畑を耕して生活してきた。彼の家は毎年数十頃の面積を耕し、次第に裕福になって行った。東晋太元初年の時、秋の収穫の季節が過ぎ、すでに収穫が終わっていた。しかし、文晁は次の日に里へ行くと、再び稲が一面に実っていて、それは収穫前と変わらなかった。そして文晁は再び収穫すると、米は蔵一杯になり、大富豪になった。

  • 馬溺消瘕

昔、ある人物が奴隷と同時期に腹の寄生虫に感染し、医者もお手上げであった。以降、奴隷が死ぬと、その人物は奴隷の腹を切り調べてみると、腹の中には一匹の白いすっぽんがいた。このすっぽんのめは紅色で非常に鮮やかであった。その人物は試しにそのすっぽんに毒をかけてみると、口の中へと入って行って何の効果もなかった。それで、そのすっぽんを床の柱に縛り付けておいた。ある時、客が一人そのすっぽんを見にやってきた。その客は白馬に乗っていた。白馬は尿をしすっぽんに飛び散ると、すっぽんは非常に慌てふためき尿を避けようと逃げ回った。しかし、柱に繋がれていたために逃げられず、頭と足とを甲羅の中へと縮めるだけであった。

病気の人物はこの様子を観察していて、自分の子供に、「自分の病気は治るかもしれない。」と言った。そして、白馬の尿を集めてすっぽんの上からかけてみるとすっぽんは溶けてしまい液体になってしまった。病人は白馬の尿を一升飲むと、病気は治った。

  • 蕨茎化蛇

太尉の郗鑒は字を道徽と号し、丹徒県を鎮めていた。ある時、兵士を率いて狩りへ行った。その時は二月の中旬で、芽を出した蕨が成長している時であった。ある兵士が蕨を毟り取って食べると、嘔吐感を覚えた。戻って以降、腹痛を伴う病となった。半年が過ぎると、ある日突然嘔吐し、一尺余りの長さの紅色の蛇を一匹吐き出した。その蛇は生きており、動いていた。兵士はその蛇を庇の前に吊り下げると、その身体から液体がにじみ出て乾燥し次第に小さくなった。一晩が過ぎて再度その蛇を見てみると、一本の蕨の茎に変わってしまっていた。その蕨は以前にその兵士が食べたものと一緒であり、これ以降病気は治った。

  • 董寿之

董寿之は殺害されたが、家族はそのことを知らなかった。その夜、董寿之の妻は家の中で座っていると、突然董寿之が近くに立っているのを見て、しきりに嘆息していた。妻は、「このような夜更けに何故帰ってきたのです?」と聞くと、董寿之は答えなかった。しばらくすると、董寿之は門を出て鳥かごの周りをぐるぐると回ると、籠の中の鶏は皆驚いた。妻は訝しく思い、火を持って調べてみると、地面に鮮血があったが董寿之は見当たらなかった。妻はこのことを母親に言うと、皆大泣きした。董寿之の見に不幸が起こったことを知ったからだ。次の日の朝、董寿之が死亡したという知らせが届いた。

出典:古詩文網

下のリンクをクリックすると中国の神獣や妖怪をまとめたページへ移動します。

中国の神獣妖怪のまとめページ




スポンサードリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする