山海経に出てくる奇妙な国や民族を集めてみた。異国1 (朝雲国、司彘国、塩長国、巴国、流黄辛氏国、朱巻国、大幽国、釘霊国)

山海経には様々な不思議な国や民族が出てきます。中には人間なのかよくわからないような怪物も見られます。早速見てみましょう。

朝雲国と司彘国(chao2yunguo)

朝雲国と司彘国は洛陽の西北にあったと言われている古代の国です。伝説によれば黄帝と嫘祖の子供である昌意が貶められて流された国とも言われています。




山海経の海内経には、”流沙の東面、黒水の西岸に朝雲国、司彘国という国があった。黄帝の妻である雷祖(嫘祖とも。養蚕を始めシルクを作ったと言われています。)は昌意を生んだ。昌意は自ら天に上り降り、若水に到り住み、韓流を生んだ。韓流は長い頭を持っており、小さな耳、人面で豚の長い口、麒麟の体、ぐるりと丸い二本の足、子豚の蹄で淖子族の阿女を妻として娶り帝顓頊を生んだ。”とあります。

黄帝に関しては以下をご覧ください!

黄帝:中国の始祖であり古代神話中最大の功労者

麒麟に関しては以下をご覧ください!

麒麟:四霊の一柱で徳が高く優しい瑞獣

顓頊に関しては以下をご覧ください!

顓頊:黄帝の孫で中国古代の国家である華夏王朝の始祖。

山海経海内経に関しては以下をご覧ください!

山海経を読もう!No,18 大荒経海内経編

出典:baidu

塩長国(yan2chang2guo)

塩長国は古代中国の伝説にある、頭が鳥である人々が住むという不思議な国です。

山海経の海内経には、”塩長国という名の国があり、そこに住む人は鳥と同じ頭部で鳥民と称した。”とあります。

塩長国の国民は鳥民と呼ばれていました。その後この人々はどういう経緯をたどったのか不明です。

山海経海内経に関しては以下をご覧ください!

山海経を読もう!No,18 大荒経海内経編

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巴国(はこく)

巴国は現在で言う四川省の東部と重慶市の西部付近にあった国です。周王朝の時代に成立したと言われています。

この巴国は山海経に海内経にも記述が見られており、”西南方に巴国があり、大皞(伏羲)は咸鳥を生み、咸鳥は乗厘を生み、乗厘は后照を生んだ。そして后照は巴国人の始祖となった。”とあり、后照が巴国人の先祖であると書かれています。

山海経海内経に関しては以下をご覧ください!

山海経を読もう!No,18 大荒経海内経編

出典:baidu

流黄辛氏国 朱巻国()

流黄辛氏国と朱巻国は互いに近くにあったとされる伝説の国です。朱巻国は巴蛇のいた国であることで知られています。

山海経の海内経には、”流黄辛氏国という国があり、その境の周囲三百里に大鹿がいた。さらに巴遂山があり、渑水はこの山より流れ出た。また朱巻国があり、そこには黒色の大蛇がおり青色の頭部で大象を飲み込むことができた。(巴蛇や修蛇の事を指している文です。)”とあります。




巴蛇に関しては以下をご覧ください!

化蛇、巴蛇(修蛇)、委蛇など様々な恐ろしい中国の蛇の妖怪たち

山海経海内経に関しては以下をご覧ください!

山海経を読もう!No,18 大荒経海内経編

出典:山海経

大幽国(だいゆうこく da4you1guo)

大幽国と釘霊国山海経に記述が見られる古代の国で、互いに近くにあったと言われています。

山海経の海内経には、”北海の内に幽都山と言う山があり、黒水はこの山から流れ出ていた。山上には黒色の鳥、黒色の蛇、黒色の豹、黒色の虎、ふさふさの毛の尻尾を持つ黒い狐がいた。大玄山があった。玄丘民がいた。大幽国があった。赤脛民がいた。”とあります。

大幽国の国民は赤脛民と呼ばれてました。

山海経海内経に関しては以下をご覧ください!

山海経を読もう!No,18 大荒経海内経編

大幽国は古代の国名の他にも幽冥を指し、地下の陰間のことを意味する場合もあります。

出典:baidu

釘霊国()

釘霊国は不思議な人々が住む国です。

山海経の海内経には、”北海の内に幽都山と言う山があり、黒水はこの山から流れ出ていた。山上には黒色の鳥、黒色の蛇、黒色の豹、黒色の虎、ふさふさの毛の尻尾を持つ黒い狐がいた。大玄山があった。玄丘民がいた。大幽国があった。赤脛民がいた。釘霊国があり、そこに住む人は膝以下の脛部は全て毛でおおわれており、馬の蹄があり速く走ることができた。”とあります。

釘霊国の国民が足に特徴があり、蹄を持っていて毛で覆われているという不気味な足をしており、速く走ることが出来たと言われています。

山海経海内経に関しては以下をご覧ください!

山海経を読もう!No,18 大荒経海内経編

出典:山海経

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