山海経に出てくる奇妙な国や民族を集めてみた。異国8

山海経に出てくる異国を集めたシリーズの第8弾です。今回も様々な奇妙な国が出てきます。

拘癭国(こうえいこく ju1ying3guo2 ジューイングオ、利癭国とも)

拘癭国は山海経の海外北経に記載が見られており、”拘癭国は禹所積石山の東面にあり、そこに住む人は常に片手で首の上の大きな肉瘤をおさえていた。別の言い方をすると、拘癭国は利癭国とも言う。”とあります。

よくよく読んでみると拘癭国の人は皆首に肉瘤があると読み取れますので、結構不気味ですね(;´∀`)

山海経海外北経に関しては以下をご覧ください!

山海経を読もう!No,8 海外経海外北経編

出典:baidu

跂踵国(qi3zhong3guo2 チィジョングオ 反踵国とも)

跂踵国は反踵国の別名で、山海経の海外北経に記載が見られており、”跂踵国は拘瘿国の東面にあり、そこに住む人の身長は皆高く、両足は非常に大きかった。別の言い方をすると、跂踵国は反踵国とも言った。”とあります。

郭璞の注釈によると、その人々が歩く際には踵がしっかりと地についていない、とされています。

山海経海外北経に関しては以下をご覧ください!

山海経を読もう!No,8 海外経海外北経編

出典:baidu

大人国(だいじんこく da4renguo2 ダーレングオ)

大人国は海外東経に記載が見られており、”大人国はその北面にあり、そこに住む人々の身長は高く、船上に座り船をこいでいた。別の言い方をすると、大人国は■丘の北面にあった。”とあります。

山海経海外東経に関しては以下をご覧ください!

山海経を読もう!No,9 海外経海外東経編

更には大荒東経にも記載があり、”波谷山という山があり、この山の中に大人国が有った。大人は市を開き売買を行い、大人堂という山の山上にあった。一人の大人がうずくまって両手を広げていた。”とあります。

山海経大荒東経に関しては以下をご覧ください!

山海経を読もう!No,14 大荒経大荒東経編

もう一か所、大荒北経にも記載があり、”大人と呼ばれる人が大人国に住んでいた。そこに住む人の姓は厘で黄米を食べた。大きな青蛇がおり、黄色の頭部で大鹿を丸呑みできた。”とあります。

山海経大荒東経に関しては以下をご覧ください!

山海経を読もう!No,17 大荒経大荒北経編

この様に山海経中には割と多く記載されている国であり、国民は身長の高い人であったと見られます。

晋の張華の《博物誌・外国》には、”大人国、その人は身ごもって三十六年で白頭を生み、その子供は大きく育ち、雲雨に乗り走れず恐らく龍の類である。会稽四万六千里に去る。”とあります。ここで言う龍の類とは龍伯国の大人を指しており、山海経の大人とは異なっているという説もあります。

《博物誌・異人》は《河図玉版》を引用して、”龍伯国人は三十丈まで高くなり、一万八千歳まで生きて死ぬ。大秦国人は十丈まで高くなり、中秦国人は一丈まで高くなり、臨洮人は三丈五尺まで高くなる。”とあります。これらが大人国の大人と言われています。

出典:baidu

奢比屍国(しゃひし、しゃびしこく? she1bi?shi1guo2 ショービシィーグオ)

奢比屍国は山海経の海外東経に記載が見られており、”奢比屍国は大人国の北面にあり、そこに住む人々はみな野獣の体に人の顔をしており、耳が大きく、耳に二条の青蛇を掛けていた。別の言い方をすると、肝榆屍神は大人国の北面にいた。”とあります。

山海経海外東経に関しては以下をご覧ください!

山海経を読もう!No,9 海外経海外東経編

大荒東経にも、「神があった。人面で犬耳、獣身で耳には青蛇をかけ名を奢比屍と言った。」とあります。奢比屍は髪ですので奢比屍国は神に関係した人たちの住む国であると考えられます。

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君子国(くんしこく jun1zi3guo2 ジュンズグオ)

君子国は山海経の海外東経に記載が見られ、”君子国は奢比屍国の北面にあり、そこに住む人々は衣服を着て帽子をかぶり帯剣しており、野獣を食べた。二頭の花紋虎を身辺に置き、人のために遠慮して譲ることを好み争わない。そこには薫華草があり、早朝に開花し晩にしぼむ。別の言い方をすると、君主国は肝榆屍神の北面にあった。”とあります。

君子国の人々は身なりのきちんとした礼儀正しい人々として書かれています。

山海経海外東経に関しては以下をご覧ください!

山海経を読もう!No,9 海外経海外東経編

大荒東経にも似たような記載があり、”東口山という山があり、君子国は東口山にあった。この国の人々は帽子をかぶり腰には宝剣を帯びていた。”とあり、海外東経と同じような内容となっています。

山海経大荒東経に関しては以下をご覧ください!

山海経を読もう!No,14 大荒経大荒東経編

出典:baidu

青丘国(せいきゅうこく qing1qiu1guo2 チンチウグオ)

青丘国は管理人が個人的に好きな国でもあります。この青丘国には有名な九尾狐が住んでいると言われています。九尾狐は今では悪の怪物として描かれることが多く山海経でも人を食べると書かれていますが、もともとは瑞獣として考えられていました。そもそも、古代には尻尾が多数ある動物から頭部が多数ある動物、手足も多数ある動物が出てきますので、古代中国では九尾狐が特別な存在という訳ではありません。なぜ九尾狐が悪の根源になったかというと、後世の様々な書物で悪として描かれたからです。封神演義の妲己が九尾弧であったというケースが有名ですね。

九尾狐に関しては以下をご覧ください!

九尾狐:元々は中国でおめでたく徳の高い神獣とされていた青丘山の九尾狐

山海経の海外東経には、”その九尾狐が住む青丘国は海外東経に記載が見られ、”山海経の青丘国はその北面にあり、そこには狐がおり四本の爪と九条の尾があった。別の言い方をすると、青丘国は朝陽谷の北面にあった。”とあります

山海経海外東経に関しては以下をご覧ください!。

山海経を読もう!No,9 海外経海外東経編

もう一点、大荒東経にも記載があり、”青丘国という国があった。青丘国には狐がいて、九条の尾があった。”とあります。

山海経大荒東経に関しては以下をご覧ください!

山海経を読もう!No,14 大荒経大荒東経編

出典:baidu

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