中国神話の奇妙な兎の怪物を集めてみた。怪兎特集1(訛獣、犰狳、飛鼠)

中国神話中には兎の怪物も登場します。中国神話で兎と言えば月の玉兎が有名です。玉兎は月で餅を搗いていると言われていますが、本来の中国神話では月で餅ではなく不死薬を搗いているのです。

玉兎に関しては以下をご覧ください!

玉兔搗薬:中国神話では月にいる兎はもともとは薬を搗いていたというお話。

因みに、月には兎がいますが、陰陽で対を為す太陽には何がいるかと言いますと、日本ではほぼ知られていませんが、三本足の鳥、金烏がいるとされています。もともとは玉兎と金烏はセットで考えられる存在なのです。




金烏に関しては以下をご覧ください!

金烏:太陽の正体は何と鴉だった!中国神話の中で太陽の中にいるとされている三本足の鴉

訛獣(かじゅう e2shou4 オーショウ)

訛獣は古代中国の怪物で神異経にその記述が見られています。

伝説によると、訛獣は上手くしゃべることが出来、人も動物も皆その身辺に集まっていました。しかし、訛獣の言うことには嘘が多く人をだますことが好きであったと言います。

身体には虎の模様があり見た目は愛嬌があり優美で一挙手一投足の間には霊気を四散させていたともいいます。その肉は鮮やかな色をしており美味しいのですが、食べた後には真実を言うことが出来なくなると言います。

出典:baidu

犰狳(きゅうよ qiu2yu2 チウユィー)

犰狳は古代中国の兎に似たあ怪物で鳥の句碑橋とハイタカの目と蛇の尻尾を持っております。


犰狳の記述は山海経の東山経に見られており、”さらに南へ三百八十里に余峨山があり、山上には梓と楠が繁茂していた。山下には牡荊(ニンジンボク)と苟杞(クコ)の木が繁茂していた。雑余水はこの山より流れ出て東へ向かい黄水に注いだ。山中には野獣がおり、形状は一般的な兎のようであるが鳥の嘴があり、ハイタカの眼に蛇の尾があり、人を見ると倒れ込んで死んだふりをした。名を犰狳と言い、発する声に字を当てられて名前となった。犰狳が一たび出現するとイナゴが大発生し、穀物の生産に甚大なる被害を与えたと言う。”とあります。

面白いのが人に会うと死んだふりをすると言います。狸なども死んだふりをする動物として知られています。これは狸寝入りとして知られています。

犰狳は現在ではアルマジロの別名として用いられています。アルマジロ自体は南北アメリカ大陸に生息していますので、古代中国にはいなかったと思われます。

山海経東山経に関しては以下をご覧ください!

山海経を読もう!No,4 五蔵山経東山経編

出典:baidu

飛鼠(ひそ fei1shu3 フェイシュー)

飛鼠は古代中国の怪物です。

飛鼠は山海経の北山経に記載が見られており、”さらに北へ二百里に天池山があり、山上には草木はなく、至る所に模様のある美石があった。山中には野獣がおり、形状は一般的な兎であるが鼠の頭をしており、背に生えている毛を使って飛行した。名を飛鼠と言った。”とあります。




この記述より飛鼠はモモンガなどの滑空するほ乳類の事を指していると考えられています。飛鼠は実在した動物を記述しと思われますが、中国神話の中には火の中に住むという火鼠など日本の竹取物語で有名な怪物も出てきます。これは神異経に出てきており、竹取物語そのまんまの記述です。

獐鼠、火鼠、驢鼠:鼠の妖怪もいっぱいいる中国の鼠の妖怪特集

兎と言う記述があったので兎に分類してしまいましたが、飛鼠はどちらかと言うと鼠の一種でしょうか。

山海経北山経に関しては以下をご覧ください!

山海経を読もう!No,3 五蔵山経北山経編

出典:baidu

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