中国の神獣、霊獣特集ですが今回は白澤、蜚、馬腹について解説していきます。中国の神話上の生き物にはもちろん神獣もいれば災いをもたらす害獣もいます。これらの神話中の生き物に関しては白澤が詳しく、白澤は11522種もの妖怪の特徴を説明したと言います。
蜚や馬腹はちょっとヤバめの怪物ですが、白澤は妖怪と言うよりもかっこいい神獣です。邪を祓うと信じられていますので、守り神として中国社会に根付いています。
神獣となるか害獣になるかはこれは信仰が大きくかかわっていると考えられます。つまり信仰の対象となれば尊敬し崇められ、また疫病や自然災害と重ねて見られると、災獣となり恐れられます。それではさっそく見てみましょう。まずは白澤です。
白澤(はくたく bai2zhe2 バイズォー)
白澤は古代中国神話中の崑崙山に住むと言われている神獣です。身体は真っ白で、人の言葉をしゃべることができ、万物に通じ、世が乱れたとき以外に人前に現れることは滅多にありません。麒麟や鳳凰と同じく、徳の高い統治者の象徴となっています。《三才図会》には、白澤は獅子の身体で頭には二本の角があり、ヤギのひげがあるとあります。
崑崙山に関しては以下をご覧ください!
○ 起源
白澤は中国神話中の神獣で、天下にいる妖怪の名前、見た目、倒し方を知っていると言われていることから魔除けと福をもたらす神として崇められてきました。その後、白澤に対する畏敬の念は民衆の間で高まり、≪白澤精怪図≫が流行しました。この本の中には、白澤が知っていると言われている妖怪の名前と風貌、その倒し方が書かれており、人々が怪物に出会うとすぐにこの本を取り出し、どの怪物かを調べて対処しようとしました。
禅宗の語録中では、よく”白澤の絵がある家には妖怪がいない。白澤の絵がない家には必ず妖怪がいる。”とあります。そのため、人々は家の壁に白澤の絵を飾るか、門の上に貼り、邪鬼を退けたと言います。
また、昔には、”白澤枕”という風習があり、つまり、寝るときに使う枕を白澤の形に、邪鬼を退けたということです。また、軍隊の装備品の中には、”白澤旗”もよく見られていました。
○ 鐘馗座騎
○ 黄帝巡游
黄帝が全国を巡っているときに、東海で神獣に出会いました。この神獣は白澤と言い、言葉をしゃべり万物に通じていました。各地の霊気を感じ取ることもできたため黄帝は白澤と話すことで国内の状況をよく知ることができ、また妖怪にも詳しく何と11522種もの妖怪の外見と特徴を説明したと言います。
黄帝とは五帝の筆頭に数えられる伝説的な帝で、中国人文の祖とも言われています。
黄帝に関しては以下をご覧ください!
出典:baidu
蜚(ひ fei1 フェイ)
蜚は古代の中国の怪物です。《山海経》の第4巻の東山経には、”太山の上には金や玉がたわわに実っている木があり、そこには怪物がいる。その体は牛のようで、首は白く眼は一つしかなく、蛇のしっぽを持っていた。名を蜚という。
水の中に入れば水はたちまち涸れ、草の中に入れば草は枯れ、その姿はまるで大きな災いのようである。”とあります。そのため、蜚は伝説中では災いをもたらす災獣であり、大昔の災難の神でした。この災獣が現れた地方には災難が大発生し、そのため皆この災獣を恐れました。
出典:baidu
馬腹(ばふく ma3fu4 マーフ)
馬腹は全体的に虎に似ていますが、腹部が馬で、頭部が人間の災獣です。半人半獣の姿はギリシャ神話のケンタウルスを連想させるため、ケンタウルス座のβ星を中国では馬腹一とも呼びます。
この馬腹は《山海経》の第五巻、蔓渠山で述べられています。西にある蔓渠山はふもとには竹藪が広がっており、山の上にはたくさんの金や玉がありました。そこは伊水の水源で、東に流れて洛陽へと至ります。その山に馬腹は住んでいました。馬腹は人面で虎の身体をしており、その声は赤子の鳴き声のようであり、人を食べるとあります。
出典:baidu
いかがでしたか?龍や四神などは日本でも有名ですが、それ以外でも知られていない中国の神獣や妖怪は沢山います。また次回にマニアックな中国の妖怪たちをご紹介したいと思っています( ´∀`)
下のリンクをクリックすると中国の神獣や妖怪をまとめたページへ移動します。