太陽燭照と太陰幽熒:中国神話で最も早く生まれて最も尊い聖獣たち

太陽燭照(たいようしょくしょう tai4yang2zhu2zhao4 タイヤンジュジャオ)

太陽燭照は中国古代神話中で、混沌とした炁(気のこと)が両儀の中で陽の炁と太陽の精とが合わさり作り出された聖獣であり、宇宙の諸天中で最も尊くそして強く、このため聖神とも呼ばれています。太陽燭照は太陰幽熒と共にできた四象聖獣であり対を成しています。

陰陽説によると、太極から陰陽が生まれ二儀を成し、二儀が交わり四象が生まれます。四象が交わると八卦を成し八卦が交わり万物が生まれます。二儀は天地を生み、四象は天地の体(春夏秋冬など)を定めます。このため太陽燭照と太陰幽熒は陰陽の根管を成す聖獣です。




陰や陽は男女や天地などのように対を成している物事の属性ですが、これらの考え方を太陽燭照と太陰幽熒に当てはめると、太陽燭照は陽であり光や男であり、太陰幽熒は陰で闇や女となります。すなわち太陽燭照の性別は男であり太陰幽熒は女です。

  • 太陽燭照の起源

太陽燭照は中国の古代神話中で生み出された聖獣であり、太陰幽熒との神話は伏羲や女媧と言った対を成す神話との類似点が見られ、研究対象となっています。文献中では太陽燭照の起源には二つの説が見られ、一つは太陽燭照は陰陽の陽から直接生まれた、というものです。もう一つは、太陽燭照は盤古開天神話中で、盤古が天地を開いた後に混沌が陰陽の両儀を成し、この内の陽と盤古の片目が結びついて生まれた、という説です。この説は陽から直接生まれたという説に比べて後世に多くみられます。しかし、秦漢時代以降にこの説は次第に衰え、次第に見られなくなっていきました。




太陽燭照は天空中の星やまばゆい太陽を表していますが、天にある陽に属する物事全てを包括して表してもいます。太陽燭照の外の縁の部分は黒くなっていますが、これは”否極泰来(物事が悪くなりすぎると逆にいいことが起こる)”や”物極必反(物事が極端になると必ず反することが起こる)”という観念を表しています。

  • 太陽燭照と太陰幽熒の外見

太陽燭照は黒い巨大な球体であり、太陰幽熒は白い中空の円環をしています。また、太陽燭照が万物を創造したとも伝えられています。盤古の両眼が太陽と太陰になり、そして盤古が混沌から作り出した両儀二気、即ち陰陽両気と結びつくことで両儀の聖獣が生まれました。

さらに太陽燭照と太陰幽熒は四象に変わり、四象は神獣、凶獣、異獣、凡獣を生み出して盤古が切り開いた天地を生き物で満たしました。

出典:baidu

太陰幽熒(たいいんゆうけい tai4yin1you1ying2 タイインヨウイン)

太陰幽熒は太陽燭照と共に混沌が陰と陽に分かれたときに、陰の炁と太陰の精とが合わさり生まれた聖獣であり、宇宙の諸天の中で太陽燭照に次ぐ存在です。太陰幽熒も太陽燭照と同様に様々な聖神を作り出しており、夜空の星々や月を象徴しています。

  • 神話中に見られる太陰幽熒

太陰幽熒は中国古代神話中に出てくる聖獣で、殷墟から出土する甲骨文字の調査から太陰幽熒の存在を知ることができます。太陰幽熒の起源は太陽燭照と同じで混沌から生まれたことと盤古の眼と融合して生まれたことの二つの説がありますが、盤古から生まれた説よりも混沌から直接生まれた説の方が形成時期が古いため、こちらの説が太陽燭照と太陰幽熒の原型となる神話であると考えられています。

太陰幽熒の崇拝は当時の人々の自然災害に対する精神的なよりどころとなっていたのではないかと指摘されています。

出典:baidu

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