太古から学ぶ生物学:石炭期と巨大昆虫と酸素濃度

三億年くらい前を石炭紀と言います。なぜ石炭かと言いますと、この時代に繁栄していた植物が、現在産出される石炭の原料だからです。つまり、この時代には地球上を広大な森が覆っており、特に巨大なシダ植物が繁栄していたのです。 石炭紀は、植物が大繁殖できるほど地球全体の気候は温暖湿潤であったと推測されています。また、二酸化炭素の濃度も高く、温室効果も重なって温暖な気候をもたらしていたと考えられます。この時代の陸地はゴンドワナ大陸やユーラシア大陸があり、これらの大陸同士がぶつかって一つの巨大な大陸である、パンゲア大陸を作っている課程でした。

この時代は高温多湿、高二酸化炭素濃度と 植物が繁殖する条件が整っているので、植物は大繁殖しました。その結果、光合成により大量に酸素を放出しました。この時代の大気中の酸素濃度は35%と、現在の21%と大きな違いがあります。この高い酸素濃度の恩恵を受けたのが昆虫です。昆虫の呼吸は、腹の側面についている気管から空気を取り込みます。これは身体の表面積が小さいほど効率よく取り込めます。体長が2倍になると、表面積は4倍、体積は8倍になるので、体積の増加に比べて表面積の増加は半分です。

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身体の表面に気管を作った場合、大きくなればなるほど、気管の効率は低下してしまいますし、大きくなればなるほど、身体の中心まで酸素が届きにくくなります。つまり、酸素を効率よく取り込むために、昆虫の身体の大きさは制限されてしまいます。現在の昆虫を見てみると、ナナフシなど細長い昆虫を除き、せいぜい手のひらサイズが限度です。

しかし、石炭紀は酸素濃度が高いので、身体を巨大化させても十分な酸素を体内に取り込めました。そのため、巨大化しました。トンボやヤスデなど、メートル級の昆虫が大量にいたことが化石からわかっています。

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ドラゴンクエスト3で例えるなら、ロマリア周辺を歩いていたら、キャタピラーとキラービーとじんめんちょうの集団にエンカウントするようなものです。倒すと結構経験値が入りそうな敵ですが、レベルが低いとやられます。ちなみに酸素濃度が高いのでメラを使うとメラミクラスの大火事になりますので気を付けてください。本気でどうでもいい疑問ですが、この虫たちに市販の殺虫剤は効くのでしょうか?また、この虫達で蠱毒をやると凄いことになりそうです。

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