驕虫:人の見た目だけどどうやって刺すのか謎が残る蜂たちの神様

驕虫(ぎょうちゅう jian1chong2 ジエンチョン)

驕虫は山海経などに記載が見られ、平逢山の山神です。見た目は人に似ておりが二つあります。驕虫は螫虫、すなわち刺す虫の首領であり、平逢山は全ての蜂類が帰る場所です。

《山海経・中山経》には、”縞羝山の首は平逢山と言った。南は伊洛を望み、東は穀城の山を望み、草木はなく水もなく砂利が多かった。神がおりその形状は人で二つの首があり、名を驕虫と言い螫虫であった。蜜蜂の庵に住んでおり、その祠に雄の鶏一羽を生贄とするも殺さず。”とあります。

驕虫は人の見た目をしていますが、蜂など刺す虫たちを束ねる山の神です。共工(きょうこう)が顓頊(せんぎょく)と戦って天の柱を折ってしまったという中国四大神話の一つ、共工怒触不周山の中の戦いで、顓頊側について戦ったという記述も見られます。




顓頊は黄帝(こうてい)の孫で帝位を継ぐ資格を持っていましたが、共工も治水工事で功を上げて帝に近い存在となっていました。しかし、帝位を譲られたのは顓頊でこれに不満を示した共工は反乱を起こし顓頊を攻めました。この戦いには様々な妖怪たちが参戦しており、非常に激しいものでした。

共工に関しては以下をご覧ください!

水神共工:治水で民に尽くしそして山をも真っ二つに割ってしまう狂戦士

顓頊に関しては以下をご覧ください!

顓頊:黄帝の孫で中国古代の国家である華夏王朝の始祖。

最初は互角の戦いを見せていましたが、そこに平逢山から驕虫たちが駆けつけて形勢が一気に顓頊側に傾きました。共工旗下の名だたる戦士たちは次々に倒れ、共工もわずかな手勢を連れて不周山まで退却しました。しかし、これ以上逃げ場はなく顓頊軍に包囲されつつあり、共工は絶体絶命であることを悟りました。

その状況に対して共工にこれまでにない激しい怒りがこみあげてきて天を支えていた柱である不周山に頭突きし怒りをぶつけました。するとあまりの激しさに不周山が折れてしまい天地が傾いてしまいました。その後は天から星が転がり落ち、地には洪水で水があふれ猛獣が跋扈する恐ろしい世界になってしまいました。




この世界を救ったのが女媧(じょか)でした。女娲は五色の石を焼いて熔かし天の裂け目を修復し、猛獣を退治しました。これにより世界に平穏が戻りました。こちらも四大神話の一つである女媧補天の話です。

女媧に関しては以下をご覧ください!

女媧:中国神話における創造神で人を始めとして様々な動物を作り出した女神

出典:baidu

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