大庭氏:炎帝神農氏の別名とも言われる古代中国の首領

大庭氏(おおばし da4ting2shi4 ダァティンシィ)

大庭氏は中国神話中の古代氏族の首領名、もしくは古い国名です。東漢の鄭玄は、《礼記・月令》の注釈として、”炎帝、神農也。”と称し、神農氏族の八代いた首領の一人としており、大庭氏は炎帝の職務を担当していたとされています。




大庭氏に関しては二種類の記載が残されています。一説は大庭氏はすなわち炎帝であったという話です。別の一説は、大庭氏は炎帝と同じではないとしています。《帝王世紀》によれば、大庭氏は女媧氏に後代で、柏皇氏の前であるとされています。伏羲氏の系統に属する君主です。

大庭氏が炎帝神農氏と同一であるという説は、東漢の鄭玄の他にも左伝に炎帝は神農氏と言い、大庭氏とも言う、とあります。

出典:baidu

今回は大庭氏のお話でした。大庭氏は炎帝神農氏の別名であると言われている一方で、全く違う人物であるという説もあります。中国では漢代以前にはすでに複雑な神話体系があったとみられますが、この体系は完全な形では現在には残っておらず、様々な書物に断片的に士か残っていません。この断片を集めて中国神話を再構成しているわけですが、大庭氏も古くは神農氏に関係のあるそれなりの地位のあった帝であったのではないかと推測されます。しかし、時間の経過に連れて詳細な内容は失われていき、割と情報の残っている神農氏のすぐそばで大庭氏の名前だけが残ってしまった可能性は十分に考えられます。このため神農氏と大庭氏の混同が起こったというわけです。もちろん今となっては詳細は闇の中ですが、一つの可能性としてこのようなことも考えられます。

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