水深10メートルの場所に深海魚が住んでいる場所

深海は大体200メートルより深い場所を指します。この深さになると、水に吸収されやすい赤い光はほぼありません。吸収されにくい青い光がわずかにある程度です。青い光は水に吸収されにくいのでより深いところまで届きます。水の透明度によりますが、一般に750メートルくらいまで届きます。

参考:深海と赤色と海の青さ

話が脱線しますが、透明度と言えば黒潮が有名です。黒潮は、西日本を太平洋側に沿って流れる潮で、栄養分が少なく、プランクトンも少ないので透明度が高く、水中に光を反射する粒が少なく水中で光が反射しないので黒く見えます。このため黒潮という名前がつけられました。


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深海には奇妙な形の生き物が沢山います。しかし、水中は水圧が高いので、軍事用の潜水艦でも 1000メートル以上の潜水はどの国の潜水艦でも無理でしょう。一般に大きくなればなるほど機械的に弱くなるので、軍用の潜水艦はより深海へもぐるのには大きすぎますし、魚雷など深海にもぐるために不必要な装備もたくさんあります。従って、深海へもぐるためにはより小型化、簡素化して、耐圧を高くします。深海探査船が大型ではなくてどれも小型なのには水圧に耐えるためという技術上の課題があるのです。

世界は広く、自然は時に不思議な場所を作り出します。 この調査が難しい深海の生物が何と10メートルといった一般人でも余裕で潜れる水深に大量に生息している場所があります。奇跡の湾、バサースト湾です。

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バサースト湾はオーストラリアのタスマニア島の南西部にあります。湾内と海とは細い水路でつながっているのみで、外海と湾内の海水のやり取りは多くはありませんが、わずかにあります。また、周囲を山で囲まれているので、湾内に強い風が吹きにくく、大きな波は発生しません。さらに湾周辺に生えているボタングラスという草が、お茶の渋み成分であるタンニンを出します。タンニンは赤い色をしており、雨が降ると、このボタングラスから出たタンニンが湾内に流れ込み、湾の表面はタンニンで赤くなります。雨水は真水なので海水よりも比重が軽く、タンニンの溶けた赤い真水は湾の表面を覆います。また、風が吹かないので湾内の水が撹拌もされませんので、表面がタンニンの溶けた真水でふたをされた状態です。このため、数メートル潜ると、深海と同じくらいの暗さになります。

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生物学に詳しい方は、表面が波立たないので水面からの酸素供給がなく、光合成も行われないので、要するに湖の深い部分と同様に海底は極端に酸素が少なく、生き物は生きてはいけないのではないか、と思われるかも知れませんが、海水は外海から供給されているので、その時に酸素も供給されています。そんなこんなで、この湾には多くの深海魚が生息しているのです。まさに奇跡の海です。


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深海魚は水圧が高い場所で生きてきますが、水圧が低い場所では死んでしまうのでしょうか?答えは死なないです。なぜならバサースト湾では水深10メートルの深さでも余裕で生きているからです。深海の生物には水深は関係なく、むしろ光の遮断が大切ということです。この湾の生物を観察することで新種の深海生物の発見のみならず、深海の生物の生態も教えてくれます。クワッカワラビーと並んでオーストラリアに行った際にはぜひとも見てみたい場所です。

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