山海経翻訳シリーズNo,12 海内経海内北経編です。
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山海経:中国の妖怪はここから来ている!妖怪のネタ帳として有名な山海経
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文中に貳負(じふ)という名前が出てきますが、この人は神様ですが、窫窳(あつゆ)という神様を殺してしまった殺神犯です。このため、天帝より罰を受けてしまいました。その他に窮奇と言う名も見られますが、古代に暴れまわった四罪の一柱の事を指していると思われます。
帝堯台、帝嚳台、帝丹朱台、帝舜台という台は堯、嚳、丹朱、舜という古代の帝王達に因んで名づけられています。
倭国と言う名も見られますが、これは日本の事ではないと思われます。山海経が書かれたのは漢の時代です。一方、中国で日本の記述がみられる最古の書物は魏志倭人伝で、魏志倭人伝は漢の時代の後、三国志の曹操の魏により書かれた書物ですので山海経は卑弥呼の二、三百年ほど前に書かれていることになります。
- 翻訳文
海内は西北の隅から東にかけての国家地域で、山丘河川の状況は以下に示すとおりである。
蛇巫山の上面には人がおり、棍棒で東を指して立っていた。別の言い方をすると、蛇巫山は亀山と言う。
西王母は小さな机にもたれかかり頭には玉勝を乗せていた。西王母の南面には三羽の勇猛でよく飛翔する青鳥がおり、西王母のために食べ物を探していた。西王母と三青鳥のいる場所は崑崙山の北面にある。
大行伯という神がおり、手に長矛を握っていた。大行伯の東面には犬封国があった。貳負の屍は大行伯の東面にあった。
犬封国は犬戎国とも言い。そこに住む人は皆犬のようであった。犬封国には一人の女性がおり、地に跪いて人に向かって酒と食べ物を捧げて献上していた。そこにはさらに文馬がおり、白色の体に紅色の鬣をしており、眼は黄金と同じように燦燦と輝いており、名を吉量と言い、その上に乗った者は千年の長寿を得るという。
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鬼国は貳負の屍の北面にあり、そこに住む人は人面で目が一つであった。別の言い方をすると、貳負神は鬼国の東面におり、貳負は人面で蛇の体をしていた。
蜪犬の形状は一般的な犬であり、全身は青色で人を食べるが、人の頭から食べ始める。窮奇の形状は一般的な虎に似ているが羽が生えている。
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四凶(饕餮、窮奇、梼杌、混沌):中国神話中で暴虐の限りを尽くした凶悪な四凶神
窮奇は人を食べるが人の頭から食べ始める。まさに食べられている人の髪の毛が乱れている。窮奇は蜪犬の北面に居る。別の言い方をすると、窮奇は人を食べるときは足から食べ始める。
帝堯台、帝嚳台、帝丹朱台、帝舜台はそれぞれ二つの台座があり、それぞれの台座は四角であり、崑崙山の東北面にある。
大蜂がおり、形状はキリギリスのようであった。朱蛾がおり、形状は大蟻のようであった。
蟜は人の体をしているが虎と同じ模様があり、脚には壮健なふくらはぎがあった。蟜は窮奇の東面にいた。別の言い方をすると、蟜の形状は人のようであり、崑崙山の北面を一人で占有していた。
闒非は人面獣身で、全身青色であった。
天神据比の屍は首を折られ頭髪が散乱しており、手が一本なかった。
環狗は野獣の頭部と人の体をしていた。別の言い方をすると、ハリネズミの様でありまた犬のようであり、全身は黄色であった。
袜という怪物は人の体に黒い頭部をしており、目は上下に直列に並んでいた。
戎という人は人の頭をしており頭の上に三本の角があった。
林氏国に珍奇な野獣がおり、大きさは虎位で体には五彩の模様があり、尾は身体ほどの長さであった。名を騶吾と言い、乗ると一日千里を駆けた。
騶吾に関しては以下をご覧ください!
崑崙山の南面には、一辺が三百里四方の広大な林があった。
従極淵は三百仞の深さがあり、そのあたりには氷夷神のみ住んでいた。氷夷神は人面で二条の龍の乗っていた。別の言い方をすると、従極淵は忠極淵とも言う。
陽汚山は黄河の一支流が流れ出でる山であった。凌門山は黄河の別の一支流が流れ出でる山であった。
王子夜の屍体は両手両足、胸、頭、歯は全て分断され別々の地へ分散された。
帝舜の妻である登比氏は宵明と燭光の二人の女の子を生み、彼女らは黄河の近くの大澤中に住んでいた。二柱の女神の霊光はこのあたりの周囲百里一帯を照らしていた。別の言い方をすると、帝舜の妻は登北氏とも言う。
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舜:五帝に数えられる古代中国の名君で意地悪な親にも忠孝を尽くした帝
蓋国は大燕国の南面、倭国の北面にあった。倭国は燕国に隷属していた。
朝鮮は列陽国の東面にあり、北面には大海があり南面には高山があった。列陽は燕国に隷属していた。
列姑射は大海の河州上にあった。
射姑国は海中にあり、列姑射に隷属していた。射姑国の西南面は山で囲まれていた。
大蟹が海中にいた。
陵魚は人面で両手両足があり、魚の体をしており海中で生活していた。大鯾魚(ほうぼう)が海中に住んでいた。
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明組邑は海島上にあり生活していた。蓬莱山は海中にそびえ立っていた。大人の交易市場は海中にあった。
以上
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出典:baidu