姑獲鳥(こかくちょう gu1huo4niao3 グーフオニャオ)
姑獲鳥は中国古代から伝わる妖怪で、時には九つの頭が有る様子で書かれています。《奇異雑談》にはその由来について、死んでしまった産婦の執念から生まれ、赤子を抱いて夜間に歩き、懐に抱きかかえている赤子の鳴き声が姑獲鳥の叫び声に変わると言います。姑獲鳥は時に夏獲鳥に変わることができ、姑獲鳥は子供を抱きかかえるだけですが、夏獲鳥はその子供を養うと言います。また、非常に犬を恐れることも特徴です。
- 災禍をもたらす妖怪
晋代の郭璞の《玄中記》には、姑獲鳥は別名、”夜行遊女”や”天帝少女”、”鉤星”、”隠飛”、或いは”鬼鳥”という、とあります。姑獲鳥は人間の魂魄を吸い取ることができ、その住むところは薄っすらとした光が放たれ、夜になると常の如く活動を始めるのでした。姑獲鳥は全身が羽毛で覆われると鳥になりますが、羽毛が抜け落ちると即ち人間の女性になります。また、姑獲鳥は七月から八月にかけての夜間に出てきて活動すると言います。
伝説によると姑獲鳥は産婦が変化した妖怪で、よその家の子供を連れ去ります。もし、赤子がいる家庭で、干しておいた赤子の服を取り込むのを忘れているところを姑獲鳥に見られると、その上面に自分の血で目印の記号を描くといいます。その子供は無辜癇(むこかん)というてんかんを引き起こすと言います。そのため、人々は鬼鳥と呼び、荊州に多くいるといいます。
明代の《天中記》には、”鬼車、暗くなると飛んで鳴く、人の家に入り人の魂気を抜き、鬼鳥とも言う。この鳥は昔十の首があったが、一首は犬にかみちぎられた。このため犬を恐れる也。またの名を九頭鳥という。”とあります。古代の楚では九頭鳥(九鳳)が広く信仰されていました。天中記のこの一文には、鬼鳥、即ち姑獲鳥と楚の九頭鳥との関係が示唆されています。
九頭鳥(九鳳)に関しては以下をご覧ください!
出典:baidu
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