孟婆:冥府で生まれ変わる人に忘却の薬湯を飲ませる不思議なお婆さん

孟婆(もうば 孟婆 meng4po2)

孟婆は中国の伝説中に出てくる冥府の年長の女神で忘却を司っています。孟婆は古くから知られていました。元々は生きていた人物で、この世を受けているときには過去を思い出せず、未来も想像できず、一心一意に人に善行を勧めていましたといいます。

孟婆の姓は孟ですが名前は判らなかったので、孟婆と称されました。その後、孟婆は山に入り修行をして道を得ました。この古い時代には人々は前世の因縁を覚えていたので生まれ変わるとよく前世の重大な秘密を漏らしていました。このため、天は孟婆を忘却の神として生まれ変わる人の記憶を消し去らせました。そして、孟婆が職務を果たすために醧忘台を造りました。

孟婆は常に地獄の奈何橋の辺りに居ます。孟婆の職務は前世の記憶を持って生まれ変わろうとしている鬼の魂を捕らえ、前世の記憶と冥府の記憶の一切を消してしまい、前世の因縁を来世に持ち込ませないようにすることです。




孟婆は渓流の河畔で薬草を集め、その薬草に迷魂の作用がある「忘川」の川の水を加えて辛い、甘い、塩辛い、酸っぱい、渋い、生臭いような味、濃いと言ういわゆる孟婆湯と呼ばれている八味の迷湯を醸成します。この湯を飲んだものは即座に完全に記憶を失ってしまうと言います。冥府から生まれ変わるために忘川にかかっている奈何橋を通り過ぎようとする魂は必ず一杯飲まなければならず、飲んだ後は記憶を失い来世へと転生することができます。

《閻王経》には、鬼魂は十殿閻羅で拷問を受け、刑を受けた後第一殿、第二殿へと順に送られ最終的に第十殿の転輪王の元へと至るとあります。第十殿は鬼魂の転生を司っており、転生の準備中の鬼魂が送られますが、ここに来る前にまず孟婆の所へ送られて醧忘台の下で迷湯を飲み干すことで前世の記憶を忘れさせられるのです。

出典:wiki

今回は冥府にいる孟婆のお話でした。記憶を忘れる迷湯ですが、飲んでしまうと全ての記憶を忘れてしまうので、赤ちゃんの状態になってしまうので簡単には使用できなさそうですね((;゚Д゚))

この世には畜生界や人間界など六つの界があって、死後は前世の行いにより犬に生まれ変わったり人に生まれ変わったり様々な動物などに転生します。これはインド仏教の輪廻転生という考え方です。この考え方が仏教と共に中国へと入ってきて、道教などもこの考えの影響を受けています。仏教ではより良い来世へと生まれ変わるためには現世で善行を積み、最終的には煩悩を捨てて涅槃に生まれ変わることで輪廻から外れる、いわゆる解脱を目指します。逆に悪いことをしたら来世は餓鬼界などより低級の界へと転生してしまうことになりますので、いい子にしましょう( ´∀`)

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