【生物】我々の細胞の中は40億年前の原初の液体で満たされている

イギリスのイーストアングリア大学(UEA)の科学者達によれば、今日の我々の細胞は生命発生当時の液体により保持されているとのことです。Journal of Biological Chemistryに投稿された研究報告は、植物細胞やイースト菌、動物中でも古代から変わらない化学変化を起こしているということを説明しています。これらは40億年前の原初の生命発生の原因であるとも考えられています。

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この原初の液体理論は、生命は水溜りもしくは海で金属や大気中の気体、プロテインを作るための電気などのエネルギーの適切な組み合わせの結果により生まれ、プロテインは全ての種に継承されたと説明します。最新の研究では、ミトコンドリアとして知られている細胞内の小さな入れ物が、今日の我々の体内でどのように化学反応をし続けているかと言うことを説明します。これらの反応の形態は、鉄、硫黄と電気反応により行われ、生き物の呼吸や光合成のように今でも重要な機能です。

“細胞は特定の部分に有害物質の一部を閉じ込めます。”と、UEAの生物学部とJohn Innersセンター(JIC)に所属し、研究を率いるJanneke Balk博士は述べました。”例えば、細胞中に存在するミトコンドリアと呼ばれる小さな容器は電気反応と有毒な硫黄の代謝を行います。これは非常に古くから行われていた反応で、生命の起源、存在にとって非常に重要な反応であり続けています。我々の研究では、有毒な硫黄化合物はミトコンドリアの輸送たんぱく質によって細胞のほかの部分に運ばれていることを示しています。我々生命は鉄と硫黄の化合物を触媒として用いているため、硫黄が必要です。本研究では、今日でも生命が育ち細胞を保持し続けている原初の液体の働き、そして、重要な生物学的な化学反応を保持することに利用されている事実を説明しています。”

本研究は、Biological Sciences Research Council (BBSRC)の出資の元、UEAとケンブリッジ大学のJICのHendrik van Veen博士との共同研究により実施され、Journal of Biological Chemistryに報告されました。
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左の植物は通常の植物で、右はミトコンドリアが硫黄を処理できなくなった植物。硫黄が処理できないと小さく、白っぽくなっています。

出典:dailymail

ミトコンドリア中の液体は生命派生当初から変わらず、今の生物でもその組成は引き継がれており生命の維持にとって重要な役割を行っている、という研究です。特に硫黄の代謝に関してたんぱく質の製造からこのたんぱく質を介した移動ルートまで説明されています。この硫黄の処理機構は生命の初期からあるもので、これが無いと有毒な硫黄によって生命は維持できない、と言うことです。

生命の発生当初は地球上の大気にはほとんど酸素は無かったと考えられており、さらに火山活動が非常に活発で火山からは硫化水素などが大量に排出されていたと考えられています。初期の生物は酸素が無かったため、硫化水素をエネルギーに使用していました。ちょうど、現在でも海中のチムニーと呼ばれる熱水噴出口に生息しているようなバクテリアたちです。

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この当時の海には鉄が大量に溶け込んでいたために、Ⅱ価の鉄イオンによって緑色だったと言う話もあります。その後、光合成を行うシアノバクテリアの出現により、海中に酸素ができ、鉄が酸化して沈殿して、現在の鉄鉱石の鉱脈が出来ます。

ミトコンドリアは好気性細菌で、酸素呼吸しATP(アデノシン三リン酸)作って生命のエネルギーを生み出します。一つ疑問だったのが、原初の液体とは硫化水素をエネルギー源としていた初期の初期の細菌から受け継がれているものなのか、酸素をエネルギーをエネルギーにしだした細菌が獲得したものか、でしたが記事を読む限りは硫化水素をエネルギーの細菌のもののようです。そうすると、硫黄をエネルギー源にしていたのでその処理もお手の物なのでしょう。

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