記憶の仕組みが徐々に明らかに。記憶を断片に分けて脳細胞に分配して記憶している

情報が脳内でどのように記憶されているのか、という話題です。記憶の仕組みは実はまだよくわかっていません。しかし、最近の研究でどのように記憶されるのかが少しずつわかってきています。今回ご紹介するのは記憶のメカニズムに迫る最新の研究内容です。




研究者たちは、脳の記憶のメカニズムを細胞レベルで発見した。一連の記憶は脳内の海馬のなかで分配されて、個別の細胞にそれぞれセーブされる。記憶の仕組みが解明されたのは初の快挙である。

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この結果は6/16のPNAS(Proceedings of the National Academy of Sciences)の速報版で発表され、記憶と神経系の基礎的な関係を明らかにし、さらに、関連する病気、アルツハイマー、てんかん等の画期的な治療法につながるのではないかと期待される。

“脳の記憶というものを理解するためには、まず基本的な計算をつかさどる-シグナルニューロン-とそのネットワーク、そしてその働きにより記憶がどのように蓄積されるのかを理解する必要がある”と、バローで脳神経工学の研究を率いて、本論文の著者でもあるPeter N. Steinmetz医学博士。”記憶の蓄積及び回復のメカニズムを知ることは、現在の高齢化社会を悩ましている痴呆症のよりよい治療法を作り出す重要なステップである。”

研究者たちは9人のてんかん患者の脳内に電極を埋め込み、脳の評価を行った。この方法を用いることで、シグナルニューロンの活動状態も記録することが出来る。被験者たちはパソコン画面に数秒映し出される単語のリストを記憶した後、これらの単語が含まれているがより多くの単語が載っている単語リストが映し出される。このとき被験者たちに前の単語リスト中にあった単語と、その単語をどの程度覚えているかという質問を行う。このとき最初のリストにあった単語と無かった単語それぞれを見たときのインパルスの違いを観察することで、海馬中の細胞が患者の単語の記憶と関連性があることがはっきりと示されていた。研究者たちは、直近に見た単語は海馬じゅうの細胞のわずかな領域に分配、蓄積されており、2%はどの単語もしくは単語の断片にも応答し、3%は細胞に強いインパルスの変化が見られることを発見した。

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“直感的には、神経細胞がリスト中の一つの単語に反応したら、その神経細胞はリスト中の他の単語にも同様に反応すると考えるが、我々の結果は異なっていた。これら反直感的な発見で驚くべき点は、それらはもはや直列的な情報処理をしていないことを示しており、以前に著名な学者の唱えたニューロコンピュテーション理論が真実味を帯びている。”とWixted氏は述べた。どの単語に対しても細胞の一部分のみが直近の記憶を信号化しており、それぞれの単語を信号化する細胞の絶対数は数百から数千のオーダーで必要である。従って、記憶に必要な細胞が一つくらい欠けても、最近見た単語を記憶する能力にはほとんど影響が無い、と語った。




“最終的な我々のゴールは人間の脳の形態、毎日の生活の場所や事柄の記憶の仕方にはどの細胞が関係し、またはこれらの細胞が病気や障害にどんな影響を与えているのかを完全に理解することである。”彼らの次の試みは、似たような記憶の信号を与えることで人の絵、景色の記憶に影響があるか、そして記憶をつかさどる海馬の細胞がより重症のてんかん患者にどのような影響を与えるのかを確認することである。

出典:DailyMail

脳内に電極埋め込むなど、もはやアキラの世界です。

少し前に見た単語と見て無い単語で、脳細胞の活動の違いを比較して、脳のどの領域が記憶に関わっているのかを評価する実験です。そうすると海馬で、それもかなり広い領域で活動の違いが確認されたようです。従って単語の記憶は一箇所にまとめて置いておくとかではなくて、パソコンで言うなら単語という二進法のデータをメモリ内の色んなところにばら撒いて保存するという感じでしょうか?凄く疑問がわいたのは、記憶を引き出すときはどうしているのでしょうね?今後の研究に期待です。

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